タイでカジノ合法化の動き再燃、諮問委が関連法整備を下院に提案

[バンコク 15日 ロイター] - タイでカジノの合法化を通じて投資や観光客を呼び込もうとする動きが再燃している。15日に政府と野党議員でつくる諮問委員会が下院に提出した関連法整備に関する提案の内容をロイターが確認して分かった。
カジノ合法化は過去にも議論されてきたが、これまでの歴代政府は世論の根強い反対の前に計画を先に進めることができなかった。2021年の世論調査でも、カジノ合法化賛成派は21.25%と、風紀や犯罪面での不安を理由とする反対派の46.51%を大きく下回っている。
現在のタイで認められている賭博は、公営の競馬と宝くじだけ。それでも国民の少なくとも10%がギャンブル依存症になっていると報告されている。
ただ産業界では、カジノが合法化されれば海外からさらに多くの観光客が訪れ、世界最大級のカジノ拠点であるマカオなどに対抗できる市場になるとの期待が大きい。
今回の提案では、カジノを含めた複合娯楽施設の建設と運営を民間企業が負担し、政府は課税や規制に責任を負う。
諮問委員会のソラウォン副委員長は、タイ企業とこの分野の経験がある外資企業が投資額の大半を受け持つと説明。一つの複合娯楽施設への最低投資額は1000億バーツ(27億9000万ドル)になるとの見積もりを示した。
ソラウォン氏によると、今後28日の国会承認に向けて提案が検討される可能性がある。

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