西武・プリンス3.6%賃上げ、9年ぶりベア 初任給2割増
西武・プリンスホテルズワールドワイドは、4月に正社員約6000人を対象に賃上げを実施する。賃上げ率は定期昇給とベースアップ合わせて平均3.6%で、月8700円上乗せする。全社員対象のベアは9年ぶり。インバウンド(訪日外国人)需要でホテル業界の人手不足が深刻になるなか、待遇改善で採用力を高める。
2025年度入社(大卒)の初任給は、ベア含めて約2割増やし24万2000円とする。これまで賞与で渡していた分を毎月の基本給に組み入れる。賞与は減るため、年収ベースではベア分のみ上昇となる。
賃上げは賃金水準を一律に引き上げるベースアップと、勤続年数が上がるごとに増える定期昇給からなる。2014年春季労使交渉(春闘)から政府が産業界に対し賃上げを求める「官製春闘」が始まった。産業界では正社員間でも賃金要求に差をつける「脱一律」の動きが広がる。年功序列モデルが崩れ、生産性向上のために成果や役割に応じて賃金に差をつける流れが強まり、一律での賃上げ要求の意義は薄れている。
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