ANA、SAFを定期便で利用 羽田ー八丈島線で5カ月
全日本空輸(ANA)は25日、廃食油などから作る再生航空燃料(SAF)の使用を羽田空港ー東京・八丈島線で始めた。約5カ月間使い、知名度向上を目指す。これまで単発でSAF利用の航空便を飛ばしたことはあったが、数カ月単位で継続的に使うのは初めて。
東京都から助成金の支援を受ける。1日3往復の羽田―八丈島線で期間中に約100キロリットルのSAFを使い、約400トンの二酸化炭素(CO2)削減効果を期待する。年内は燃料全体の約10%にSAFを使い、その後は1%程度にする。春休みやゴールデンウイーク(GW)の一部期間では一時的に比率を約10%に高めて、SAFを周知する。
同日、羽田空港でSAFの給油などの様子を視察した東京都の小池百合子知事は航空産業の脱炭素ではSAFは有効であると指摘し、「廃食油の確保など、持続的なサプライチェーン(供給網)の構築にも取り組んでいきたい」と話した。
ANAの井上慎一社長は「継続的なSAF使用は(コスト面で)単独ではできない部分でもある。(東京都の支援を受けた)今回の取り組みがSAF普及への大きなきっかけとなることを期待したい」と述べた。ANAは2030年度に消費燃料の10%以上をSAFに置き換える目標を掲げている。
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