日本で高級ホテル建設ラッシュ、狙いは?
訪日客の富裕層取り込む
相次ぐ開業には海外からの訪日客を取り込む狙いがあります。10月の訪日外国人は251万人で、コロナ前の19年を超えました。パレスホテルや帝国ホテルの宿泊客のうち、外国人は6割を超えます。中でもターゲットは富裕層です。長期滞在を見込める欧米やオーストラリアの訪日客は伸びており、パレスホテル東京では平均客室単価が足元で10万円弱まで上がりました。
高級宿泊施設、米の20分の1以下
政府も訪日客の1人当たり旅行消費額を引き上げる目標を掲げています。ただ日本の高級宿泊施設は、海外に比べて足りていません。観光庁の資料によると、日本の5つ星ホテルは34でアメリカの801に遠く及ばず、中国の137やタイの112の半分以下です(20年6月時点)。これまでは手ごろな価格帯のホテルが多く開業していました。
ヒューリックや帝国ホテル、相次ぎ開業へ
ヒューリックは30年ごろまでに1泊10万〜30万円の高級旅館「ふふ」を銀座などに17軒開業します。現在の約2倍増です。パレスホテルも運営ホテル数を30年までに現在の2.5倍となる10施設とするほか、帝国ホテルも26年春に京都で新規開業し、30年代には東京の本館を建て替えます。高価格帯ホテルの開業が続きそうです。
2016年入社。首相官邸や立憲民主党の取材を経て、現在は電子版と紙面の編集を担当。最近、疲れたときは小島よしおさんの「そんなの関係ねぇ」をみてパワーをもらっています。
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