秋田県と東急、包括連携協定 観光振興や脱炭素推進
秋田県と東急は13日、包括連携協定を結んだ。観光振興や脱炭素推進などで協力し、人口減少が進む地域の活性化に役立てる狙いだ。県が首都圏の私鉄と連携協定を結ぶのは初めて。東急の高橋和夫社長は「交流人口の拡大や(転出者より転入者が多い)人口の社会増につながる一助になれば、当社にも大きな事業機会になる」と話した。
観光振興では、県などが出資する第三セクターの秋田内陸縦貫鉄道(秋田県北秋田市)の経営立て直しがテーマの一つ。例えば、観光列車の運行や東急が傘下に持つ伊豆急行(静岡県伊東市)の知見を生かした観光需要の掘り起こしなども検討する。
脱炭素推進では、再生可能エネルギー事業がテーマになる。東急は出資会社を通じて秋田県八峰町の陸上風力発電に投資するなど再エネにも力を入れる。県沖合は洋上風力発電の建設準備が本格化することから、再エネ由来の電力の「地産地消」に向けた提案、温暖化ガス削減なども取り組む。
高橋社長は「再エネで将来、秋田で投資する可能性はある」と語った。
秋田県は東京の渋谷駅前に像がある秋田犬「忠犬ハチ公」のふるさとで、東急は渋谷区に本社を構える。今年11月に生誕100年を迎えるハチ公が縁になり深めてきた関係が包括連携協定締結につながった。
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