東武トップツアーズ代表取締役/社長執行役員 坂巻伸昭氏

  • 2021年1月5日

 2021年の年頭にあたり、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

 昨年は、新型コロナウイルス感染症が人類に劇的な変化をもたらした年となりました。あたりまえとなっていた人的交流や物理的な接触が制限されたことにより、私たちの生活習慣や価値観も大きく変化しました。テレワークやバーチャルコミュニケーションが新常態となったこの流れは今後も続くと思います。一方で、リアルに接触することがとても貴重な体験になると感じるようになりました。

 私たち旅行業を含む観光産業は、このリアルこそがビジネスの源です。旅行先で触れ合う人、景色、食事、そのどれもがリアルであり、人々はリアルを求めてその土地を訪れます。訪れることで交流が生まれ、地域にさらなる活力を与えていくのですが、コロナ禍においても実施できる新しい旅のカタチを作っていくことが私たちの役割だと考えています。今後は小規模分散型旅行やワーケーション等を通して従来からの旅行市場を活性化していくとともに、非接触の電子クーポン発行等のデジタル技術の活用により、新しい日常に即した取組を進めていくことが重要ではないでしょうか。

 新型コロナウイルスの感染拡大により世界中のツーリズムが停止するという、これまでに経験したことない事態に直面したことを踏まえ、当社は次の3点に取り組みたいと思います。

 1つ目は、「顧客にとっての価値があるか」という視点です。お客さまは商品やサービスを通してお客さま自身のニーズを満たしており、その価値に期待して私たちを選んでくださっています。常にお客さまのことを思い、考え、行動することでお客さまに価値を提供できるよう追求していきたいと思います。

 2つ目は、「変わる」から「変える」への意識の転換です。コロナウイルスだけでなく、災害や超高齢社会など予測できる、できないはあるものの、待ったなしに変化していく社会では、「今を見直し、先を見越して進化し続ける」ことが必須だと認識することが必要であり、自ら高みを目指して「変える」ということを意識して取り組んでまいります。

 3つ目は、「ニューノーマルは自ら創る」ということです。私たちはこれまでの暮らしや価値観、働き方やビジネスの大前提が世界規模で覆るような歴史的転換点にいます。これまでの枠組みのように先行する会社を倣うのではなく、私たちがそのリーディングカンパニーになることを目指して、既存の事業、新しい事業に挑戦していきます。

 以上のように、2021年はビジネスの原点にたち返り、顧客の価値を創造することを追求し、変革を恐れず、挑戦するという姿勢で取り組んでまいります。本年もどうぞよろしくお願いいたします。