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【GDS座談会・前編】来年の見通しは?ポストコロナへ注力分野は?

業務渡航の完全回復は期待せず
DX推進や基幹システムなど取組強化へ

 コロナ禍で旅行産業全体が甚大な被害を受けるなか、批判はあれどGoToトラベルによる効果もあり「底」は抜け出した感のある国内旅行。これに対し海外旅行と訪日旅行は依然として壊滅的な状態が続き、国際航空券の流通を支えるGDSも例に漏れず苦境にあえいでいる。思えば昨年10月に日本航空が2021年3月でのアクセス国際ネットワークの解散を発表し、今年はインフィニ・トラベル・インフォメーション、アマデウス、トラベルポートの3社が新しい勢力図を形成するべく競争を繰り広げるはずだった。未曾有の事態にある旅行業界で、これら3社の日本法人のトップは何を考えるのか。2回に分けて座談会から伝える。

(左から)アマデウス・ジャパン代表取締役社長の竹村章美氏、インフィニ・トラベル・インフォメーション代表取締役社長の植村公夫氏、トラベルポート取締役支社長の岡安美里氏

▽参加者
アマデウス・ジャパン代表取締役社長 竹村章美氏
インフィニ・トラベル・インフォメーション代表取締役社長 植村公夫氏
トラベルポート取締役支社長 岡安美里氏
▽聞き手
エフネス代表取締役社長 岡田直樹
まず搭乗ベースで、2020年通年のセグメント数はどの程度に着地するとお考えでしょうか


竹村章美氏(以下、敬称略) 上場しているため決算発表以上の数字は出せないのだが、上半期の決算ではグローバルで前年比78%減、アジア太平洋地域は88%減となった。グローバルよりもアジア太平洋地域の方が悪いのは、上半期にアジアからコロナの影響を受けたためだ。下半期になれば全体で同じような数字になっていくはずで、これから大きく変化することはないだろうから通年でもこの程度で落ち着くのではないかと見ている。

 セグメント別で見ても、業務渡航などは予約が入り始めてはいるが前年からするとまだまだ低い状況だ。



植村公夫氏(以下、敬称略) 80%減程度と見ている。10月の2週目からようやくキャンセルの数を入ってくる予約が上回るようになった。当社は業務渡航よりもレジャーが強いため、最近のビジネストラックの恩恵もあまり受けられていない。



岡安美里氏(以下、敬称略) 予約が入り始めている状況は同じ。規制の解除に伴って業務渡航はシンガポールなどから少しずつ戻ってきている。

 特徴としてはリードタイムが短い。7日後、10日後といった予約が入ってきている。

来年のセグメント数は2019年比でどの程度まで回復すると予想されますか


植村 業務渡航については、よく言われているように回復するのは早いが2019年水準にはもう回復しないだろうと思う。

 航空会社や旅行会社へのヒアリングだと3割から5割という答えが多い。私としては、希望を込めて50%と言いたい。前半は厳しいはずだが、後半に盛り返すと期待している。



岡安 私は割と明るい展望を持っている。例えば国内でも、数ヶ月前までは他県に行くのがものすごく悪いことだったが、今や行かないと損のような雰囲気になっている。

 海外も、規制緩和とともに結構早く戻ってくるのではないか。各国の政府観光局も、規制が解除されればかなり力を入れてくるはずだ。

 データを見ると、先のハワイやグアムなどリゾートの予約が結構入っていて、二世代の家族旅行なども見られる。様子を見ながら先の予約を考えている状況が窺える。



竹村 来年に関しては、供給がどこまで回復するのかや国の施策にもよる。現在のビジネストラックも制約が厳しい。

 日本の消費者がいつどこに行く旅程を検索しているのかが分かるデータがあるのだが、通常は年末年始やゴールデンウィーク、お盆などがピークになるのに対し、今のデータでは山がなくだんだん下がっていっている。つまり直近の検索しかしていない。直前の検索は業務渡航系のはず。レジャーの回復はまだまだ遠いのではないかと思う。

 ただし、Go Toを見ていても日本人はものすごく旅行好きということが分かる。海外の制限が撤廃されれば必ず戻る。ただし来年ではない。

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