KNT-CTが事業改革、「メイト」「ホリデイ」の終了、店舗の縮小や希望退職募集も

  • 2020年11月11日(水)

 KNT-CTホールディングス(KNT-CT)が11月11日の取締役会において事業構造改革を発表した。今年2月以降の新型コロナウイルスの影響により海外、訪日旅行の需要回復が相当期間見込めない状況から、経営資源を専門性、収益性の高い分野に集中するという。

 具体的には収益性のあるクラブツーリズム事業と近畿日本ツーリストコーポレートビジネスによる首都圏エリアの法人旅行事業を中核とする一方、個人と法人旅行事業については分野を特定し集客、縮小していく。

 改革のメスを入れるのは個人と団体旅行事業で、個人旅行事業については10月より販売を開始している国内ダイナミックパッケージと21年4月より販売開始予定の新・海外ダイナミックパッケージのウェブ販売に集中。販売方法については、従来の店頭でテレビ電話システムを使った「旅のコンシェルジュ」をウェブ上でも展開し、リモート接客が受けられるよう差別化を図っていく。

 また「メイト」および「ホリデイ」ブランドの募集型企画旅行は21年3月末で販売を終了する。さらに全国に138店ある個人旅行店舗は22年3月末までに3分の1に縮小するという。主要都市に残る店舗はタブレット端末を利用しウェブ商品やクラブツーリズムの旅を販売していく。

 団体旅行事業については、現在の95支店から22年3月末までに約70店舗に集約。現在はビジネス、教育、一般団体の親睦旅行などフルラインナップで営業展開していたが、今後は教育旅行事業と地域交流事業など専門性の高い事業に絞ることに決定。

クラツー、MICE事業は拡大

 一方、クラブツーリズム事業は拡大していくとして、「新・クラブ1000事業」を開始することを発表。これは旅行業以外のライフスタイルビジネスとしてオンライン上を中心に趣味のクラブ(コミュニティ)を作り、人と人とが集える場所を提供する。各クラブで講座や座談会、イベントなどをサブスクリプション方式で提供、また企業からは商品企画や広告の機会を提供し収益化も図っていく予定だ。

 さらに「新・クラブ1000事業」は旅行事業としても成長を見込んでおり、フランチャイズ化しDMOと連携することで特色のある着地型旅行商品の開発や販売をおこなっていくほか、企業とのアライアンスを強化し旅行需要の創出を図っていく。なお、事業の開始は22年6月を予定しており、24年度までに有料会員100万人を目標としている。

 また、近畿日本ツーリストコーポレートビジネスは、21年4月1日に訪日旅行を扱うKNT-CTグローバルトラベルと合併し、新体制で国内外のMICE需要の深耕やハイブリット型MICE、ワーケーションなどの新しい旅行形態の開発をおこなっていく。

コストの見直しで22年度に200億円の削減を見込む

 コスト構造の見直しについては、地域会社の個人旅行店舗や団体旅行支店の統廃合により、22年4月1日を目処に地域会社を合併し、本社部門などの後方部門の統合を図る。また、人員については24年度末までに現在の7000人から、新卒採用の抑制や定年退職、出向、希望退職の募集により3分の1を削減するとしている。

 希望退職は35歳以上の同社および近畿日本ツーリスト各社の従業員を対象に募集し、期間は21年1月4日から22日まで。募集人数は設定されておらず、優遇措置として特別退職加算金や再就職支援サービスを提供する。

 そのほかの経費削減として役員報酬および従業員給与の削減、事業所の賃借面積の縮小、海外現地法人の縮小のほか、「メイト」「ホリデイ」ブランドの販売終了などによるITコストの削減や広告宣伝費の圧縮により、22年度の連結決算においてコロナ前と比較して約200億円のコスト削減を見込んでいる。

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