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ドイツ、「20年は日本が最重点市場」ベートーヴェン生誕250年記念コンサート開催

  • 2020年2月1日
駐日ドイツ大使館クラウス・フィーツェ首席公使

 「ベートーヴェン生誕250年」を2020年のプロモーションテーマに定めるドイツ観光局は、日本の旅行業界向けに「ベートーヴェン生誕250年記念バイオリン&ピアノ・リサイタルとベートーヴェンの夕べ」を開催した。バイオリニスト宮本笑里さんとピアニスト梯剛之さんによるコンサートが開かれたほか、ベートーヴェンと一緒にピアノ演奏が楽しめるオリジナルVR体験やベートーヴェンとツーショット写真が撮影できるAR体験も用意された。

 同局は昨年12月16日にグローバルキャンペーンとして「Discover Beethoven(BTHVN 2020)」をローンチ。特に日本、アメリカ、中国を最重点マーケットと定め、より深堀りしたマーケティング活動を展開しているところだ。

 ベートーヴェンの夕べで挨拶に立った駐日ドイツ大使館クラウス・フィーツェ首席公使は、「日本とベートーヴェンとの関係は深い。特に第九は日独友好関係のシンボル的な存在」と話し、生誕250年によってドイツへの日本人旅行者が増えることに期待感を示した。

アジア・オーストラリア地区統括局長の西山晃氏

 また、同局アジア・オーストラリア地区統括局長の西山晃氏は、「ドイツは文化観光デスティネーションとして認知されおり、日本市場でも芸術文化がドイツを旅行先に選ぶ基準になっている」と説明。2020年はドイツ各地でベートーヴェン関連のイベントが開かれることから、最重点マーケットとして位置づけられている日本でのプロモーションを強化していくとした。

 加えて、デジタルマーケティングの取り組みとして、ツイッターなどSNSでの発信を強化していることも紹介。「ベートーヴェンの夕べ」でもミニハッシュタグキャンペーンを展開し、インフルエンサーに「#DiscoverBeethoven」をつけて発信してもらう取り組みを実施していると説明した。

ベートーヴェン周年財団代表ラルフ・ビルクナー氏

 このほか、ベートーヴェン周年財団代表のラルフ・ビルクナー氏が2020年に行われるベートーヴェン関連のイベントについて説明した。生誕地ボンの「ベートーヴェンハウス」のリニューアルが完了し、250周年を記念した新常設展と特別イベントとプログラムが実施される。また、毎年行われている「ベートーヴェン音楽祭」は、今年3月13日~22日と9月4日~27日の2回開催。

 さらに、3月12日から4月20日にかけてボンからウィーンまで「ベートーヴェン・ミュージックフレイト」も運行。船上でさまざまな音楽プログラムを提供し、13の停泊地それぞれでベートーヴェンプロジェクトを実施する。

 また、世界環境の日の6月5日には「ベートーヴェン田園プロジェクト」を開催し、世界各国のアーティストがそれぞれの解釈で交響曲田園を演奏し、環境問題を訴える。ビルクナー氏は、一連のイベントを「フリーダム(自由)とプログレス(進歩)がテーマ」と話し、旅行会社に商品化と送客を呼びかけた。

ピアニストの梯さん(左)とバイオリニストの宮本さん

 コンサートでは、梯さんがピアノソナタ第14番「月光」より第1楽章、第8番「悲愴」より第2楽章、第23番「熱情」より第3楽章のメドレーを独奏したほか、梯さんと宮本さんがバイオリンソナタ第5番「春」より第1楽章を協奏した。

VR体験

 また、会場に設置されたVRは、このイベントのために開発されたもの。ゴーグルを装着し、実際にピアノの前に座ると、ベートーヴェンとの連弾がバーチャルで体験できるほか、ドイツの紅葉の中を飛ぶ疑似体験も楽しめる。また、ARでは、スマホでQRコードを読み込むと、ベートーヴェンとのツーショット写真撮影が可能になる。同局では今後もSNSなども含めデジタルを活用したプロモーションに力を入れていく方針だ。