ツーウェツーリズム時代における関空の強みとは?-ツーリズムEXPO

インバウンド4000万人時代にアウトバウンドの商機は
バランス良い東南アジア、欧州に可能性も

  • 2019年11月22日(金)
パネルディスカッションの様子

先ごろ大阪にて開催された「ツーリズムEXPOジャパン2019」で、海外旅行シンポジウムがおこなわれた。テーマは、「インバウンド4000万人時代の海外旅行市場はどうなる ~関空の強みを活かして新たな商機を~」。シンポジウムでは関西エアポート代表取締役社長CEOの山谷佳之氏による基調講演と、パネリストとモデレーターによるパネルディスカッションを実施。「ツーウェイツーリズム」時代に突入した現在、ツーウェイでインバウンドの将来需要を成長させる方策について議論が展開された。本記事では、シンポジウムの様子を紹介する。

【基調講演】
関西エアポート代表取締役社長CEO 山谷佳之氏
【パネルディスカッション】
パネリスト
関西経済連合会理事・国際部長アジアビジネス創出プラットフォーム管轄 井上剛志氏 フィンエアー日本支社長 永原範昭氏 JTB執行役員個人事業本部海外仕入商品事業部長 遠藤修一氏
モデレーター
JTB総合研究所研究理事 黒須宏志氏

関空はインバウンドで大幅成長、関西3空港で5000万人達成へ

基調講演を行う山谷佳之氏

 基調講演では、山谷氏が関西国際空港の現状について説明。山谷氏は関空、伊丹空港、神戸空港の合計旅客数が昨年は4889万人であったとしたうえで、「3空港を合わせた総旅客数が5000万人以下だと世界では戦えない」との考えを披露。昨年は台風の影響もあって到達しなかったが2019年上半期は2644万人を達成しており、大きな災害がなければ19年は念願の5000万人を達成できる見込みであると語った。

 関西国際空港については、国際線旅客の内訳が1995年は日本人が77%、外国人と通過客が23%の比率だったのに対し、現在では31%と59%に逆転したという。国際線の日本人旅客数は、1995年が730万人、2018年が720万人と大きな変動はないものの、インバウンドの数は210万人から1570万人まで膨らんでいる。

 さらに、国内線も「インバウンドでの利用が圧倒的」な状況。とはいえ、1995年には国際線と国内線の旅客数の比率が54%と46%であったものの、今は78%と22%と差がついており、山谷氏は現在の関空について「国際線に特化した、関西3空港の中でも中核たる国際空港」となったと強調した。

 このほか昨年には関空は台風による被害を受けて「安心・安全」についての課題が露呈したが、会社としての対策を見直したことを紹介。山谷氏は、「自然災害、テロ、政治的な変化、異常気象、疫病の発生などが表面化すると、その国で旅行するという気にならない。ビジネスとしてコントロールしにくい分野ではあるが、念頭に置いておかなければならないことだ」と語った。

 なお、山谷氏は日本の産業構造として、1980年には産業分類の割合で全体の60%を切っていた第3次産業が2017年には72%を超え、同様に雇用状況も70%を超えたことにも言及。「どの分野においても業界全体を高い成長軌道に乗せるためには、サービス産業の生産性向上が大きな役割を担っていると感じる」とし、そのうえで「私は、あらゆるサービス産業に関わっているのが旅行業だと考えている。空港、エアライン、鉄道、宿泊業、小売、全てサービス産業。この部分を旅行業の力でどこまで拡大していけるかは、ひとつの大きな視点だろう」とコメントした。

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