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週間ランキング、HISの新ロゴが1位、2位はDL新支社長インタビュー

[総評]  今週も1位はエイチ・アイ・エス(HIS)関連で、新しいロゴを発表されたニュースでした。先週もHISが持株会社制へ移行するというニュースが1位だったわけですが、今回のロゴリニューアルの一報は先週金曜日の当欄執筆時に届きましたので、その時から来週もHISが1位だなと予想しており、まさにその通りの圧倒的な結果となりました。

 ありきたりな感想ではありますが、持株会社制への移行、ロゴ刷新と大きなニュースが続いており、本当に「旅行会社としてのHIS」から脱却しようとしている印象が強くなります。新ロゴはHISの3文字を平行四辺形と丸形で囲んでいますが、今後はその形様だけでもHISという企業が認識されるようにしていく方針だそうで、海外を強く意識されている様子も窺えます。

 ロゴが変わるというのは社員にとってはなかなかインパクトが強いはずで、実際にはどのようにお感じかと気になります。とはいえ、トラベルビジョンも10年弱前にロゴをリニューアルしておりますが、今となっては前のロゴはどんな風だったか、確か三角形がいくつかあったことだけは、というような有様で、まあ住めば都といいますか、変わってしまえば割合に早く馴染むものです。慣れというのは良いことばかりではなく、HISのロゴ刷新も10年前ということですので、我々もそろそろロゴを見直してみようかなどとも考えはじめています。

 続いて第2位には、デルタ航空(DL)の日本支社長に就任されたヴィクター大隅氏のインタビューがランクインしています。海外ホテル界隈の有名人が就任されるという一報をお聞きした時には大変驚いたものです。

 もちろん、宿泊業界から外航日本支社の要職への転身というのは、最近ではマリオットからアメリカン航空(AA)の日本地区営業本部長に就かれた矢島隆彦氏がいらっしゃいますし、そもそも大隅氏の前任である森本大氏もクラブメッドご出身で、あるいは逆にDLアジア太平洋地区統括本部長であったジェフ・バーニアー氏がヒルトン・グランド・バケーションズのバイス・プレジデント(と日本代表)に就任されたケースもあり、ことさら珍しいわけではありません。しかし、大隅氏は米国空軍のパイロットでキャリアを始められているという点において異色のご経歴といって良いでしょう。

 まあホテルでの27年という長大なご経験を考えると空軍だ、パイロットだとそこにばかり注目するのも失礼な気もしますし、ブリティッシュ・エアウェイズやイベリア航空の親会社であるIAGのCEOも(Wikipediaによると若干17歳で!)エアリンガスのパイロットになったわけで、過去ではなく現職でのご実績に目を向けるべきでしょう。

 DLは米国では各種の顧客満足度調査などで高い評価を得ていると聞いたことがありますが、日本ではAAやユナイテッド航空(UA)と比較して突出して良いイメージを得ているかというとそこまでではない気がします。そうしたなかで、最近はエコノミークラスでもウェルカムドリンクやおしぼりを提供するサービス改善を実現しており、今回の大隅氏のご就任は、そういった施策と合わせてDLの印象を大きく変える契機となる可能性も秘めているのではないかと想像しています。

 なお、今週、というか先週の当欄執筆からの1週間を振り返ると、やはりラグビーワールドカップの閉幕は皆様にとっても大きな出来事だったのではないでしょうか。個人的にはもともとラグビーに縁もゆかりもない人生だったところから、数年前にラグビー経験者の旅行業界関係者に(半ば無理やり)トップリーグ観戦に連れていってもらい、会場に行ってみて初めてわかるその迫力に次第に魅入られた、言わば「中堅にわかファン」でした。

 しかし、自国開催のワールドカップはまったく別物で、お互いを称え合う姿勢などの爽やかさは、もしかすると他の人気スポーツを凌ぐポテンシャルもあるのではないかと感じています。来年のオリンピックとパラリンピックも、個人的には毎年楽しみにしていた花火大会に引導を渡した存在であり今でも心情的に歓迎できていないのですが、始まってみればきっとまた違って見えるのではないかと思えるようになりました。件の業界関係者が当欄を見ているか分かりませんが、魅力を感じる下地を作ってくれたことにこの場で感謝を申し上げておきたいと思います。

 ということで、ものの見事に「ラグビーロス」となってしまいましたが、年明けには新シーズンも始まり、テレビでも観戦できる機会があるはずです。是非とも一過性のもので終わらず、来年以降も人気が持続してほしいと願っています。(松本)

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