全日空、成田/パース線に就航、平子社長「成功は間違いないと思っている」

  • 2019年9月1日
関係者に見送られ、パースへ旅立つB787-8型機

 全日空(NH)は9月1日、成田/パース線の運航を開始した。パースへの直行便は2011年にカンタス航空(QF)が撤退して以来の復活で、日本の航空会社としては初。同日、運航の開始を祝う記念式典を開催し、NH代表取締役社長の平子裕志氏のほか、駐日オーストラリア大使のリチャード・コート氏、西オーストラリア州観光大臣のポール・パパリア氏、成田国際空港代表取締役社長の田村明比古氏らが登壇した。

 同路線の使用機材はB787-8機で、座席数はビジネス32席、プレミアムエコノミー14席、エコノミー138席の計184席。平子氏は、同便について「9月と10月の2ヶ月間の予約率は70%を超えるほど。利用者の西オーストラリアへのご興味、ご関心の強さをひしひしと感じている」と喜びを語った。

記念式典の様子

 パースは、NH国際線のネットワークでは45番目、そしてオセアニア、オーストラリアではシドニーに次ぐ2番目の就航都市となる。平子氏は、「メルボルンやゴールドコーストにはなく、パースにしかないものがある」と強調し、一例として、「インド洋に沈む夕陽。西海岸にしかない夕陽の絶景を皆さまに楽しんでいただきたい」とコメント。そして、「この直行便の就航がきっかけとなって日本とオーストラリアの友好が深まることを心から願っている」と期待を示した。

 続いて登壇したコート氏は、「今年、オーストリアを訪れる日本人の数は推定で48万2千人、前年比で9.5%の増加を見込んでいる。成田/パース間の直行便が就航することで、多くの日本人に西オーストラリア州を発見する機会を与えることができるだろう」とコメント。また、ラグビーワールドカップや東京五輪にも触れ、「オーストラリアの人にとっても、日本を訪れる良いきっかけになる」と期待を込めていた。

 パパリア氏は登壇後、冒頭で「世界最高、世界屈指のキャリアが、世界中のどこよりも美しい街への直行便を開設してくれた」と謝意を述べた。同便の利用客や関係者のために現地の先住民が歓迎の準備をしていると説明し、最後は「素晴らしい空の旅を!」の言葉で締めた。

 なお、初便の搭乗者にはトラベルポーチ、クォッカのぬいぐるみ、ことりっぷの3点セットを記念品として配布。同日11時39分、平子氏、成田空港支店長の石田洋平氏、空港係員が横断幕を掲げて同便の離陸を見送った。

大使公邸でレセプションも、予算拡大で路線維持を確実に

(右から)パパリア氏、平子氏、コート夫妻

 8月30日にはコート氏の大使公邸で、NHや旅行業界、そして西オーストラリア州に進出している企業を中心に関係者を集めてレセプションを開催。コート氏は、「西オーストラリア州の元首相として、就航の喜びを抑えることができない」と挨拶し、平子氏も予約率の高さなどに言及したうえで「成功は間違いないと思っている」と強調した。

パパリア氏

 また、パパリア氏は本誌取材に対し、QFがブリスベン線に就航した際の日本/ブリスベン間の移動人口が約12万人であったと推察されるのに対し、現在のパースは日本との間では14万5000人が行き来しており、その多くが業務渡航であると指摘。加えて、QFが週3便を維持できなかった当時と比較して、訪日需要が大きく増加しているほか、NHがB787型機で運航できることも路線の成功に貢献すると分析した。

 パパリア氏によると、7月からの新しい会計年度で西オーストラリア州として海外の重要10市場について全体でマーケティング予算を倍増しているが、日本はもともとの規模が限られていたこともあって、倍以上に増加。路線維持に向けた取り組みの一例として「教育旅行には大きな可能性がある」と語り、積極的に投資していく可能性を示した。

※訂正案内(編集部 2019年9月2日10時06分)
訂正箇所:第7段落第2文
誤:平子氏も予約率の高さなどに言及したうえで「成功は間違いないトオモッテイル」と強調した。

正:平子氏も予約率の高さなどに言及したうえで「成功は間違いないと思っている」と強調した。
お詫びして訂正いたします