海外旅行DI、19年1Qは5ポイント減-10連休の2Qはプラス転換

  • 2019年3月14日

 日本旅行業協会(JATA)が2月4日から22日にかけて会員607社を対象に実施した旅行市場動向調査によると、今年の1月から3月までの3ヶ月間の海外旅行のDI値(※)は前期(昨年10月~12月)から5ポイント低いマイナス8だった。昨年12月の見通しからは3ポイント増、前年同期比では8ポイント増となった。JATAは「商用・視察などの大幅な低下があったものの、好調な個人旅行が牽引して前回調査時の見込みを上回った」との見方を示すとともに、「DI値はやや低下したが、ゴールデンウィーク(GW)への需要の集中が予想される」とコメントしている。

 業態別では、取扱額が30億円以上の「リテーラー1」が前期比14ポイント増のプラス39で最も増加。取扱額が30億円未満の「リテーラー2」も6ポイント増のマイナス10と改善した。最も減少したのは「インハウス」で29ポイント減のマイナス22、次いで「総合旅行会社」が22ポイント減のプラス12だった。回答社数が4社のみだった「ネット系旅行会社」は前期と同じマイナス50。

 方面別では8方面中5方面が前期を上回り、最も伸長したのは「アメリカ・カナダ」で15ポイント増のマイナス15。次いで「ミクロネシア」が11ポイント増のマイナス17となった。最も減少したのは「中国」で14ポイント減のマイナス45。次いで「韓国」が8ポイント減のマイナス35だった。唯一のプラスの「アジア」は増減なしのプラス14。

 顧客層別で最も伸長したのは教育旅行を除く「学生」で18ポイント増のマイナス22。次いで「一人旅」が11ポイント増のマイナス19だった。最も減少したのは「商用・視察」で16ポイント減のマイナス3。教育旅行が12ポイント減のマイナス26で続いた。

2Qはプラス圏なら15年以降で初、3Qは再びマイナスに

 10連休となるGWが含まれる4月から6月までの3ヶ月間については、海外旅行全体で今期比16ポイント増のプラス8を予想。ポイントがプラスに転じた場合は15年以降では初めてという。JATAは「遠方を中心に(政治的な緊張関係が続く)韓国以外のすべての地域や多くの顧客層で増加が見込まれる」との見方を示している。

 業態別では「海外旅行系旅行会社」が今期比34ポイント増のプラス11、「総合旅行会社」が30ポイント増のプラス42を予想。唯一マイナスの「インハウス」も14ポイント増のマイナス8を見込む。「ネット系旅行会社」は100ポイント増のプラス50。方面別では「ハワイ」が唯一の2桁増で11ポイント増のプラス11。その他は1桁台の伸びで、唯一減少を見込む「韓国」は1ポイント減のマイナス36。顧客層別では「ファミリー」が18ポイント増のプラス6で最も増加する見込み。そのほか「ハネムーン」「OL」「インセンティブ」も2桁ポイントの伸びを予想する。

 なお、7月から9月までの3ヶ月間については再び減少に転じ、全体で12ポイント減のマイナス4を予想する。

※DI値は設問事項に対して「良い」「普通」「悪い」「取り扱っていない」の4項目を用意し、集まった回答を数値化したもの。回答数から「取り扱っていない」と回答したものを除いた数を母数として各回答のシェアを算出し、「良い」の割合から「悪い」の割合を引いている。