にっぽん丸がグアムで事故、1月ツアー中止-3月再開めざす

  • 2019年1月13日

 商船三井客船は昨年の現地時間12月30日21時14分ごろ、客船「にっぽん丸」がグアムを出港する際に米国海軍施設の桟橋と接触した事故を受け、1月中のクルーズツアーを中止した。にっぽん丸は事故により船尾に損傷を受けており、現在は運航再開に向けてグアムで修繕中。1月中の再開は難しいという。

 対象となるのは1月4日から7日までの「初春の宝船 にっぽん丸クルーズ」、8日から11日までの「新春初旅 にっぽん丸クルーズ」、1月12日から14日までの「にっぽん丸 新春のオペラクルーズ」の国内クルーズ3本で、旅行者にはクルーズ代金の全額を返金する手続きを実施中。

 次は3月7日から10日まで「にっぽん丸で航く 熊野古道プレミアム」を予定しているところ。同社によれば、にっぽん丸の運航再開の見通しは立っていないが、「3月のクルーズまでには船を直したい」という。

 同社は事故を受け、12月31日に公式サイトに運航中止を知らせる告知とお詫びのメッセージを発表。その後定期的に情報を更新しており、1月8日には商船三井と連名でこれまでの経緯を説明した。事故当時、にっぽん丸は12月26日から1月3日までの「ニューイヤー グアム・サイパンクルーズ」中。乗客372名はグアムで下船し、空路で日本に帰国したという。

 現在は米国沿岸警備隊や米国海軍が現地調査を続けており、米国沿岸警備隊からは事故当日に船長が飲酒していたという情報を得たところ。同社の社内規則では当直開始4時間前以降の飲酒を禁止していることから、調査の結果が判明するまでの間、船長の職務を停止。今後は引き続き現地調査に協力するとともに、「商船三井グループとして事故の原因究明を進め、再発防止策を徹底する」としている。

 なお、国土交通省は今回の接触事故を受け、1月10日に商船三井客船に立入検査を実施している。