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タヒチから観光大臣が来日、各社との面談で日本市場の重要性強調

  • 2018年11月20日

フランス領ポリネシア政府とタヒチ観光局によるミッション このほどタヒチからフランス領ポリネシア政府観光・労働大臣のニコル・ブトー氏はじめタヒチ観光局本局の幹部らの観光ミッションが来日し、旅行会社や航空会社、ホテルなどを訪問した。日本市場拡大へ向けて大臣らは各社の経営陣と面談、観光局では旅行会社などからヒアリングを実施した。
 
 今回の面談でブトー氏は、タヒチと日本の観光には50年以上にわたる関係があることを強調、大臣自らがミッションに参加することで日本市場の重要性を示した形だ。また、大臣が個別面談を目的に来日したのは初めてのことで、その背景には2018年はフレンチビー(BF)やユナイテッド航空(UA)などの新規就航や観光局のプロモーションの成果によってタヒチ全体へ訪問者数が増え、タヒチ島やボラボラ島、モーレア島以外の離島への訪問が広がる一方で、日本からの訪問者が昨年から20%減少したことがある。

 タヒチ観光局本局COOのジーナ・バントン氏は「旅行会社の反応は極めてポジティブだった」と話す。回復のためにはパッケージ商品の価格が抑えられるようホテルや航空会社には特別料金を提供してもらい、販売面でも、各島、他のデスティネーションとの違い、タヒチの価値を理解してもらうことが重要とし、2019年は販売店向けプログラムを強化する考えを示した。

来日したブトー氏 タヒチ観光局取締役会会長のマリー・フォージュラ氏は現在プロモーションしている「文化」の一環で、「伝統的なタヒチアンダンスも無形文化遺産の登録へ動いている」ことを明かした。タヒチの文化に惹きつけられる日本人は多く、中でもタヒチアンダンスは40万人の日本人が習っていることに着目し、「独自のポリネシア文化をアピールすることは大事で、ダンスは新しい焦点となる」と述べた。ほかにもフランス領ポリネシア政府としてフランス大使館を通じた日本の学生のタヒチへの交換留学プログラムの可能性も探っているという。

 ブトー氏は政府主導で進めるホテル計画についても言及。2020年にはタヒチ島に300室が増え、2023年までに3から5つ星クラスの4つのリゾート、全1500室以上を建設するタヒチアンビレッジのプロジェクトが進行中。タヒチ島、ボラボラ島、モーレア島の増築に加え、フアヒネ島やファカラバ島にも新しいホテルも建設されるという。その上で、大臣は高級リゾート以外にも「タヒチには地元の人々と触れ合えるバケーションレンタルやゲストハウス、クルーズ船まで多様な選択肢がある」ことも強調した。

 最後にブトー氏は、タヒチの魅力の本質は美しい島の水上バンガローであることを基本に、「自然と文化の多様性をアピールしたい。日本のパートナーからの提案やアドバイスに基づいて、今年末までにアジア、そして日本のマーケットについての戦略をまとめ、働きかけていきたい」と意欲を見せた。