全日空、羽田/ウィーン線開設の背景に「欧州線の好調」、ビジネス需要に期待

アウト回復とともにインも需要増
OS成田便と羽田発着・早朝到着で差別化

  • 2018年12月4日(火)

松崎氏  全日空(NH)は2019年2月17日、羽田/ウィーン線を週7便で開設する。旅客便としては世界43都市目の就航地で、欧州では7都市目。これにより、欧州線のネットワークは7路線・週112便に拡大することになる。

 同社マーケティング室ネットワーク部事業計画チームの松崎裕輔氏は本誌の取材に応え、ウィーン線開設の第1の理由として、欧州方面への旺盛な旅行需要を挙げた。2015年にパリで起きた連続テロ事件を皮切りに欧州各地で発生したテロ事件を受けて、欧州への日本発需要は一時落ち込んだが、近年は急速に回復している。欧州からの訪日旅行者も増加しており、NHの欧州線における欧州発の旅客は全体の約30%になるという。

 松崎氏によると、14年度の欧州線の搭乗率は7割強だったが、17年度には欧州6都市・7路線で8割強にまで上昇。「欧州線は混雑しており、座席が取れないという声も多くいただいており、供給を増やすことを考えていた」と明かした。なお、NHの18年度上期の国際線の運航実績によると、欧州方面の搭乗率は上期が82.0%。9月単月は88.3%と9割に届く勢いだ。

 加えて、松崎氏は羽田空港の夜間発着枠の残りが少なくなっていることを説明し、「利便性の高いダイヤを設定するためには、枠が残っている極力早いタイミングで就航したかった」と話した。

 羽田発ウィーン行きの運航スケジュールは、羽田を深夜1時55分に出発し、ウィーンには早朝6時に到着。早朝に現地に到着することから、オーストリア航空(OS)などルフトハンザグループが運航する欧州域内68都市への以遠路線との接続が可能であるほか、ウィーンから鉄道などを利用しての欧州各地へのアクセスも容易となる。松崎氏は、「ウィーンはOSのハブ空港。コンパクトな空港でシェンゲン域内であればMCTも30分以内」と説明し、乗継利便性の高さをメリットとして強調した。

 さらに、NHはウィーン近隣のドイツ方面では羽田/フランクフルト、ミュンヘン線、成田/デュッセルドルフ線を運航しているが、「ウィーン線に就航することで、混み合っているこうした路線の座席に余裕が出てくる。座席に余裕が無いため取り込みきれていない需要を獲得できるのでは」と期待を示した。

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