KNT-CT、2Qは天災で減収、営利4割減に-通期は下方修正

  • 2018年11月8日

会見の様子。中央が中村氏 KNT-CTホールディングス(KNT-CT)は11月8日、2019年度3月期第2四半期(18年4月1日~9月30日)の連結業績を発表した。売上高は前年比0.7%減の2074億9700万円、営業利益は43.8%減の15億2700万円、経常利益は37.1%減の17億1100万円、当期純利益は3.4%増の16億5200万円。国内で北海道胆振東部地震や台風21号などの自然災害が続いたことがクラブツーリズムのバス旅行などに影響して減収となり、営業利益と経常利益は4割減となった。

一方、売上原価は売上高ほどには落ちず、0.1%増の1716億600万円と微増。売上総利益は4.3%減の358億9000万円、販管費は1.2%減の343億6300万円だった。純利益の増加は第1四半期と同様、旧近畿日本ツーリスト個人旅行をクラツーが吸収合併したことに伴う税負担の軽減などによるもの。

 19年3月期の通期連結業績予想については各項目を下方修正し、売上高は前回予想比0.7%減の4140億円、営業利益は22.2%減の21億円、経常利益は19.0%減の23億5000万円、当期純利益は13.6%減の19億円とした。決算発表会で業績について説明したKNT-CT取締役経営戦略部・経理部担当の中村哲夫氏によれば、上半期における自然災害の影響が大きく、10月の業績も前年同月を下回る見込みであったことなどを勘案した。11月以降については前年並みで推移する見通しという。

 なお、KNT-CTは今期から報告セグメントを変更。前期までは「個人旅行事業」「団体旅行事業業」「その他」の3つに分けて売上高と営業利益を発表していたところを、このほど実施した組織再編により「個人旅行・団体旅行の区別なく、すべての旅行関連需要の獲得をめざす体制」に変更し、「今後の事業展開、経営管理体制、IT投資計画などの観点からも、グループの事業を一体として捉えることが合理的」と判断したことから、「旅行業」に統一して各セグメントに関する発表は省略している。

 中村氏は記者からの質問に答える形で上期の各セグメントの概況について説明。個人旅行は、海外については台風21号による関空の一時閉鎖などがあったものの堅調で、SIT向けなどの一部商品は好調だったことを伝えた。国内は自然災害が大きく影響し、メイトに加えてクラツーもマイナスに。自然災害を受けたキャンセルによる減収40億円のうち、3分の2はグループの利益を牽引するクラツーが占めたという。団体は振り替えなどの効果で、最終的には前年並みに落ち着いたとのこと。

 なお、KNT-CTが同日に発表した上半期の取扱額実績によると、海外旅行はグループ全体では5.9%増で、このうち企画旅行は1.1%増。ホリデイは10.4%減、クラツーは5.0%増だった。団体旅行は2.2%増。国内旅行は全体では5.0%減で、企画旅行は7.5%減。メイトは9.6%減、クラツーは6.2%減だった。団体旅行は0.4%減(詳細は後日掲載)。

クラツーのバス旅行で「抜本的対策」、組織再編も

 中村氏はクラツーのバス旅行については「軽井沢での事故以来、仕入価格が上昇しており、5000円や7000円であった日帰りのバスツアーの価格が1万円前後に上がっている」とも説明。参加人数が減り、以前のような利益が上がりにくい状況にあることから「抜本的な対策」を計画していることを明らかにし、「来年早々には、組織の見直しなどを含めて発表する」とになる」と伝えた。