週間ランキング、1位はGDS座談会後編、3位は羽田米国線

[総評] 今週は、先週惜しくも2位であったGDS4社の社長による座談会の後編が1位となりました。通常、記事を分割して掲載すると後になるほどアクセスは低下する傾向にありますが、やはり今回のテーマとなったNDCの注目度は高いようです。

 詳細は記事をご覧いただければと思いますが、GDS各社が広報戦略上はNDC、NDCと喧伝していても実際にはそれ自体による差別化は難しい、ですとか、日本ではIATAの目標は達成困難だろう、など、なかなか他では読めない情報をお届けできたのではないかと思います。

 今回の対談企画は、先週も書きましたがトラベルビジョンとしても初めての試みで、達成感のある部分もある一方で課題も多く感じております。先週の当欄掲載後には「期待はずれ」とのお叱りもお寄せいただき、一方では悔しく思いつつも、ご期待いただけたこと、率直な感想をお知らせいただけたことをありがたく感じ、次はご満足いただけるものをお届けしたいと気持ちを新たにしています。

 そう頻繁にできるものでもありませんが、ご登場いただいた皆様には是非ともまたご協力いただけますと幸いです。また、読者の皆様にも、なにかしら別のテーマでご参加をお願いすることもあろうかと存じますので、その際にはどうか前向きにご検討いただけますようお願いいたします。

 さて、今週はこのほか3位にアメリカン航空(AA)の記事が入りました。経営陣の来日に合わせて開催された記者会見の内容をまとめたもので、増枠が検討されている羽田空港について、日米それぞれに8便ずつという期待が示されたことでそこに焦点を当てた記事を書きました。

 羽田の発着枠はドル箱といわれ、基本的にはどの会社にとっても喉から手が出るほど欲しいものであり、「1便でも多く」というタイトルは当たり前といえば当たり前なのですが、米系各社の間での獲得競争が始まる号砲としてお伝えした次第です。

 というのも、ご存知の方も多いと思いますが、米国では希少な発着枠を航空会社に配分する際、米国運輸省(DOT)が各社から詳細な運航計画を提出させ、さらに相互に議論をさせて判断する流れとなっており、しかもそれらをすべてオンラインで公開して透明性を確保する仕組みとなっています。

 そしてその議論はとても時間がかかり、場合によっては「お前はいつも嘘を付くから!」「いやいやお前だって他の路線でやってるし!」というようなやり取りが続くこともあるため、その都度長文の英文(100ページを超えるものも)を読んで追いかけなければならない立場としては非常に苦痛なのですが、今回のAAの号砲によってその前哨戦が始まる可能性があります。

 まあ嫌だ嫌だと言いつつも風物詩のように感じている部分も自覚しており、むしろ密室ですべてが決まる日本と比べれば感謝するほどで、さらにそのプロセスの先には明確な供給量の拡大が見通せるわけですから、議論が始まるのが楽しみな気もします。

 海外のメディアでは最近、デルタ航空(DL)のCEOが「将来的にアジアからのトラフィックのうち日本経由はゼロになるだろう(=ソウルにハブを移す)」と発言したと伝えられており、あるいはその米国から米軍管轄の空域通過について理解を得られていないとの報道もあるなど、いささか先行き不透明ではありますが、2020年はそれほど先の話でもありません。是非とも早めに増枠が決まり、路線拡充の明るい話題をお伝えできるようになってほしいと願っています。(松本)

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