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ジェットスターJ、国際線で他LCCとの提携検討-JAL新会社とも

  • 2018年8月29日

会見の様子 ジェットスター・ジャパン(GK)は8月29日、都内で事業説明会を開催し、代表取締役社長の片岡優氏は、国際線において他のLCCとのパートナーシップ締結に向けた検討を進めていることを明らかにした。ジェットスターグループだけではカバーできない路線や方面などを補完したい考え。連携のあり方などの詳細については「現在は検討中の段階で、決定次第報告する」と述べるにとどめた。提携先が1社またはグループになるのか、複数に及ぶのかなどについてもコメントを控えた。

 事業・戦略本部長の田中正和氏によれば、GKは現在、自社運航によるネットワーク拡大については、国際線よりも国内線の拡充に注力しているとのこと。グループ各社だけでは取り込めない国の訪日旅行需要などを、パートナー企業との協業により獲得したいという。

片岡氏 片岡氏は記者団の質問に答えるかたちで、日本航空(JL)が新会社で2020年の運航開始をめざしている中距離LCCとの協働の可能性について説明。「同じJLが出資する会社として、運航や販売など、どの部分での協業が可能なのか、考えを持ち寄って検討している」と伝えたが、こちらも詳細については「お教えする段階にはない」とした。なお、パートナーシップ締結に向けた検討を進めている他のLCCは、同社ではないという。

 国内線については、年内に成田、関空/高知線の2路線を開設することを発表。高知への就航を決めた理由として片岡氏は、すでに開設している成田/高松、松山線が好調であること、高知へのLCC初就航でレジャー需要とVFR需要の掘り起こしが見込めること、自治体や地元企業などの支援が手厚いことなどを挙げた。関西と高知を結ぶ初の路線となる関空線については「陸路では遠回りして4、5時間かかるところを、空路なら40分から50分程度で移動できる」とアピール。運航スケジュールなどの詳細は近日中に発表する。

 そのほか、2019年6月期中には新たに2機を導入するとともに、9月には成田/長崎線を新設、10月には関空/熊本線を復便することを説明。オンラインチェックインの利便性向上など、サービス強化にも引き続き取り組むとした。

 なお、18年6月期の営業収入は前年度比8%増の570億円。中部拠点化による増便などにより旅客数は3%増の536万人となり、平均搭乗率も2ポイント増の87%と改善した。営業利益は3%増の11億3400万円で、燃油費上昇などによるコスト増加を業務効率化などでカバー。経常利益は前年度に円安による外貨建て資産の評価益を計上したことで22%減の10億9100万円、純利益は前年度に整備引当金の過去の見積額の修正による特別損失が発生していたことで91%増の9億5300万円だった。3期連続の増収増益となる。