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AY、メガFAMでネットワーク活用訴え-日本5路線目を検討

オウルなど7方面を訪問
視察や教育旅行の素材も

オウルのシンボルとなっている「トリポリシ(マーケット・スクエアの警官)」。レンガ造りの建物がマーケット  フィンエアー(AY)はこのほど、ビジット・フィンランド、ラトビア投資開発公社、ビジット・ストックホルム、スウェーデン大使館の協力のもと、北欧の商品造成と増売を目的にメガ研修旅行を実施した。今年で4回目となる今年はAYが就航する成田、関空、中部、福岡の各空港から総勢60名ほどが参加し、3泊5日で7つのグループに別れて各地を視察。最後にヘルシンキで報告会を実施した。


北欧全体の商品化を促進

AYの永原氏  メガ研修旅行はAY日本支社長の永原範昭氏の発案で始まったもの。永原氏は本誌の取材に応え、「参加者にはフィンランドだけでなく北欧の旅行素材を体験し、それを商品造成に役立てていただきたい」と研修旅行の意図を説明。今年の夏期スケジュールで日本4空港とヘルシンキとを最大週31便で結ぶネットワークの利便性を強調した。

 さらに、同氏は今後の日本路線の計画についても言及。都市は明かさなかったが、国内で5番目の就航地を検討していることも明らかにした。

 このほか、永原氏は成田/ヘルシンキ線に導入されている最新鋭のA350-900型機を訴求力の高いプロダクトとしてアピール。「機内環境が格段に改善されたので、以前にも増して快適なフライトが体験できる」と自信を示した。今夏中には関空路線にも同型機を導入する予定。


フィンランド第4の都市、強みは「教育システム」

オウル市内のランドマークになっている「オウル大聖堂」  メガ研修旅行では、7つのグループに分かれて「オウル」「ヴオカッティ」「トゥルクとナーンタリ」「ミッケリとサヴォンリンナ」「ヘルシンキとポルヴォー」「バルト海クルーズとスウェーデンのストックホルム」「ラトビア」をそれぞれ視察した。今年は日本とスウェーデンの国交樹立150周年を迎えることから、ストックホルムが研修先に加わっている。このうち、記者はフィンランド中部、ボスニア湾岸に位置するオウルを訪れるグループに同行した。

 オウルはフィンランドで4番目に大きな都市で、ヘルシンキからは飛行機で北に1時間の距離にある。通信インフラ技術で世界をリードするノキアの主要拠点の1つで、アプリやゲームなどの開発でも世界トップクラスの企業が多く、最先端テクノロジーのハブとして発展してきた。ヘルシンキ/オウル線は1日14便あり、フィランドのビジネスにおけるオウルの重要性が伺える。

オウルでは、教育旅行の受入体制についてブリーフィングを受けた  オウルの強みは教育システム。フィンランドは国策として、先進的な教育システムの海外への「輸出」に積極的に取り組んでいるが、産官学の連携が進むオウルはその中心的な場所となっている。幼児教育から職業学校、最高学府の大学教育、あるいはゲームやアプリのプログラミング教育などユニークなカリキュラムまで、海外からの留学生の受入を積極的に進めている。ラーニングだけでなく、ティーチングの教育パッケージが充実しているのも特徴だ。

 こうした背景から、オウルは企業のテクニカルビジットや教育旅行のデスティネーションとして世界から注目を高めている。第2外国語ながら英語力は非常に高く、しかもネイティブではないため会話のスピードも早くない。穏やかなフィンランド人の気質も相まって、日本人にとっては英語でコミュニケーションが取りやすい環境だ。

自然とハイテク産業が融合しているのがオウルの特徴  視察旅行に参加した近畿日本ツーリスト関西大阪教育旅行支店の小野高明氏は、「ホームステイと語学研修の組み合わせにも可能性がある」と評価。また、オウルは安全で、周辺にはフィンランドらしい自然も広がり、さらに日本からのアクセスも良いことから「修学旅行先としても潜在性はあるのではないか」と話した。さらに、ヨーロッパへの教育旅行先というとフランス、イギリス、ドイツなどがまず挙がるが、「オウルでもヨーロッパを感じられることも訴求ポイントになる」と付け加えた。