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加ハリファックスでRVC開幕、冬季と女性の需要に可能性

  • 2018年5月15日

今年のRVCはノバスコシア州のハリファックスで開催(ハリファックス発:特派 山田友樹)  今年で42回目を迎えるカナダの旅行商談会「ランデブーカナダ」(RVC)が5月14日、ノバスコシア州ハリファックスで開幕した。カナダのインバウンド旅行市場は好調に推移しており、2017年の訪加外国人旅行者数は前年比4.4%増の2085万人で、02年の2006万人を超えて過去最高を記録。日本人旅行者数については0.2%増の30万400人と微増にとどまったものの、1人当たりの現地消費額は2055カナダドル(約17万6000円)と高い水準を維持している。

 カナダ観光局国際担当副社長のエマニュエル・ルゴー氏は、本誌などとのインタビューに応え、「日本は今後も成長が見込める市場」との認識を説明。理由としては冬季の需要や、独身女性の開拓に成長の余地が大きいことを挙げた。また、「日本人旅行者は好奇心が強く、新しいデスティネーションや体験を求める傾向が強い」と分析。今年6月2日からは、エア・カナダ(AC)が成田/モントリオール線に就航することから、ケベック州やブリンスエドワード州など東部への送客拡大にも期待感を示した。

(左から)ルゴー氏、半藤氏  同局日本地区代表の半藤将代氏は、夏季のピークシーズンは客室の予約が難しい状況が続いていることから、冬季需要の取り込みをさらに加速させる考えを説明。昨年から始めたキャンペーン「あったかい、冬カナダ」を継続するほか、「より魅力的な冬の体験を組み込んだ商品の造成と販促に関して、旅行会社を支援していく」との方針を示した。今夏には有名インフルエンサーを登用し、冬のカナダを訴求する新たな動画もリリースする予定で、一般消費者にアピールするとともに、旅行会社での活用も働きかける。

 このほか、半藤氏は「ターゲット層をより明確にしていく」と説明。非日常的な体験や、アクティブでローカルな体験を求める25歳から34歳までの独身女性と、知的好奇心の強い55歳以上のシニア層へのアプローチを強化する考えを示した。独身女性に対しては、バンクーバー、トロント、カルガリー、モントリオールなど都市でのライフスタイルやカリナリーを訴求し、「暮らすように旅をするスタイル」を提案。この取り組みに連動する形で、バンクーバー観光局やトロント観光局も日本向けの投資を拡大しているという。

 2018年の日本市場については、ACの機材や便数の調整などで日本/カナダ間の提供座席数が3%減となり、円安傾向も続くと見る一方で、旅行者数は3%増の31万4000人、現地消費額の合計も4%増の6億2300万カナダドル(約534億円)になると見込む。半藤氏は「高くても売れるマーケットにし、現地消費額を上げる努力をする」と意気込みを示した。

 なお、今年のRVCには日本から過去最多の59人が参加。来年はオンタリオ州トロントで開催される。

▽AC、冬ダイヤで成田/カルガリー線運休

ワイス氏  AC日本支社長兼アジア・太平洋地区プレミアム レベニュー統括本部長のワイス貴代氏によると、現在デイリー運航中の成田/カルガリー線は、今年10月末からの冬ダイヤでは運休する。また、エアカナダルージュで運航している関空/バンクーバー線は19年からACによる運航に変更し、夏ダイヤのみ週5便から週6便で運航するという。使用機材はB787-8型機。冬ダイヤについては需要動向も見て判断する。