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星野リゾート、海外に新たな「星のや」出店へ、国内も

  • 2018年4月11日

星野氏  星野リゾートは4月11日、都内で記者会見を開き、同社代表の星野佳路氏は国内外で6軒を展開している「星のや」について「新たに国内1軒・海外2軒程度のプロジェクトに入ろうとしている」と説明した。詳細は今秋の記者会見で発表する予定だが、海外についてはリゾート地で開業する考え。星野氏は「将来的にグローバル企業になるために、国内が好調な時に海外に勇気を持って出ていきたい」と意欲を示した。

 6軒の「星のや」のうち、海外で出店しているのは昨年1月に開業した「星のやバリ」のみ。同社はそのほか、フランス領ポリネシアのランギロア環礁でリゾートホテル「Kia Ora ランギロア」を運営している。

「星野リゾート 界 仙石原」の客室のイメージ  国内については7月27日に、箱根の仙石原温泉で「星野リゾート 界 仙石原」を開業することも発表。周辺に美術館などが多いことから、コンセプトに「アトリエ×温泉旅館」を掲げていることを伝えた。客室13室はすべて露天風呂付きで、11月頃には別館の3室を追加。宿泊者向けのアクティビティは、手ぬぐいの絵付け体験などを提供する。7月10日から20日までは開業に先立ち国内外の芸術家12名が滞在し、創作活動をおこなうイベント「アーティスト・イン・レジデンス箱根」を開催し、作品は施設内に展示する。

 そのほか山口県長門市から受託した、長門湯本温泉の再生計画については、社会実験を開始するなど計画を進めていることを報告。今年1月に京都府の和束町と宿泊施設の開業に向けて締結したパートナーシップ協定については、宿泊施設の場所やコンセプトを検討している旨を伝えた。このほど取得した栃木県那須郡那須町にある「二期倶楽部」として運営されていた建物と土地については、秋の定例会見で今後の予定などを報告するという。

 6月15日に「住宅宿泊事業法」が施行される民泊サービスについては「民泊の利用者は世界的に増加している。旅行者が日本に来た時に民泊施設がないと、日本の観光競争力が下がるのでは」と主張。あわせて「民泊事業の成長は、ホテル側がサービスを限定してきたことにも要因がある。ホテル業界が『サービスとは何か』を改めて見直す良いチャンスでは」とも話した。

 また、星野リゾートの管理物件もある軽井沢の別荘地で、非合法な民泊サービスが提供されている可能性について指摘し、対応を検討していることを伝えた上で「当面は事業として積極的に取り組もうとは考えていない」と語った。

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▽訂正案内(編集部 4月16日 12時40分)

訂正箇所:第4段落第3文
誤:このほど取得した栃木県那須郡那須町の「二期倶楽部」については・・・

正:このほど取得した栃木県那須郡那須町にある「二期倶楽部」として運営されていた建物と土地については・・・
お詫びするとともに訂正いたします。