週間ランキング、企業再編に注目集まる、「ピーチとバニラ」も

  • 2018年3月23日(金)

[総評] 今週の1位は、インターコンチネンタルホテルズグループ(IHG)によるリージェントホテルズグループの株式取得をお伝えしたニュースでした。2位はANAホールディングス(ANAHD)傘下のピーチ・アビエーション(MM)とバニラ・エア(JW)の合併に関する記事で、こちらの方が実際の関心は高そうな気がしますが、一般メディアもこぞって書いていますのでページビューも分散したのでしょう。

 ホテル業界では近年、大手国際チェーンの間で買収劇が続いており、16年にはマリオット・インターナショナルがスターウッドホテル&リゾートを獲得して世界最大のホテルグループになりましたし、アコーホテルズもラッフルズ、フェアモント、スイスホテルなどのブランドを運営していたFRHIホールディングスを買収したうえに依然としてM&Aに対して強い意欲を持っているようですし、ヒルトン・ワールドワイド株を海航集団が取得するなど中国勢の動きからも目が離せません。

 こうした超大手ホテル企業の合併を考える時、数十ものブランドを同時に展開していて混乱しないのかと素朴な疑問が浮かんできますが、トップから現場まで実際のところはどのように受け止められているのでしょうか。特に現場としては、場合によってはリブランドもあるでしょうし、なかなか受け入れられなかったり、あるいはせっかく良いサービスを提供してロイヤルカスタマーを掴んでいたのにそれが崩れてしまったり、様々な苦しみがありそうな気がします。

 2位のMMとJWにしても、まさにこれからその悩みに直面していくことになります。これからしばらくは最大の経営課題といっても間違いないのではないでしょうか。JW側にしてみれば、12年にエアアジアでスタートしてみたら1年半も経たずにバニラ・エアで再出発することになり、そしてようやく黒字化したと思ったらすぐにブランドも会社も消えるというのは、現場の皆様の気持ちを考えると耐え難いものがありそうです。

 また、現場ばかりではなくMM代表取締役CEOの井上慎一氏も色々と悩ましいのではないでしょうか。「ピーチとバニラ」と並べるともはや何の話か分からないほどですが、発表当初は驚きや戸惑いをもって受け止められたこの「ピーチ」ブランドが離陸し安定飛行に入ることができたのは、井上氏の極めてラディカル(に振る舞ってみせる)なリーダーシップによるものであるように思います。

 井上氏には何度かインタビューの機会をいただいてきたのですが、最初から「LCCの原理主義的なモデルをめざす」と話され、また敵対心というときっと語弊がありますが、少なくとも当初は出資比率が4割未満であったこともあってかANAHDとの関係においても独立独歩の姿勢を強調され、バニラとの関係についても「我々は我々の道を行く」と明言されてきました。

 将来のことを考えると色々な可能性が思い浮かぶわけで、それを語る時には予防線を張るように前置きをしたり、関係各所へのいわゆる「忖度」を少しは含ませておきたくなるのが人間というものではないかと思いますが、井上氏は(おそらくあえて)それをされず、それがきっと結果的に今のMMのブランディングに繋がってきたのではないかと感じます。

 また、MMのブランディングでは、安全でおしゃれで「おもろい」会社を標榜していることからも分かる通り、関西色を強く打ち出して成功している点も特徴です。これも日和らずに突き進ませた井上氏の功績ではないかと考えていますが、逆にいえばANAHDの100%子会社ではない、あるいは関西が拠点である、といった失礼ながら「傍流」であるという側面が、そうしたリーダーシップが効果を発揮しやすかった背景にあるかもしれません。

 この仮定の上に立って考えると、やはりJWを吸収する上で井上氏が直面する課題はこれまでとはまったく異質なものとなるはずです。

 外部から勝手な欲をいうと、MMには是非とも「ANA色」に染まることなく、ますますビビッドなピンク色(正確にはフーシャピンク)に磨きをかけていってほしいと思いますし、逆にそれができずに角を色々なところにぶつけて丸くなってしまうとすれば、その先にはきっと「おもんない」会社の未来が待っているだろうと心配しています。(松本)

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