若者海旅検討会、初回は旅行の阻害要因を議論-年度内に取りまとめ

  • 2017年12月10日(日)

検討会の様子  観光庁は12月7日、「若者のアウトバウンド活性化に関する検討会」の第1回会合を開催した。政府が「明日の日本を支える観光ビジョン」で「若者のアウトバウンド活性化」を掲げるなか、若者の海外旅行の阻害要因と今後の活性化に向けた方策を議論するもの。座長は東洋大学国際観光学部国際観光学科教授の森下晶美氏が務める。この日は事務局が若者の海外旅行の現状と課題について説明。それをもとに、委員が海外旅行の阻害要因について意見交換をおこなった。

 会合には当初、観光庁長官の田村明比古氏が参加する予定だったが、国会審議の関係で欠席し、同庁国際観光課長の伊地知英己氏がメッセージを代読。「議論に際してのお願い」として、「供給者目線ではなく、潜在的な旅行者である若者の目線を重視すること」「(海外旅行者数が急増した)1970年代から90年代までの成功体験を忘れること」「政府全体として対応すべき環境整備や、民間で対応すべきビジネスモデルの変革などを議論すること」の3点が示された。

 会合では、事務局が20代の出国者数やパスポートの取得率が年々減少していること、若者の余暇の行動において旅行の優先度が低いことなどを説明。観光先進国の実現のために、双方向の人的交流の拡大が重要であることを強調するとともに、若者の海外旅行振興で期待できる効果として、「日本人の国際感覚の向上」「国民の国際相互理解の増進」「インバウンド拡大への貢献」を挙げた。

 委員同士の意見交換では、若者の海外旅行の阻害要因として、社会人のみならず学生も休みが取りにくくなっており、春休みなど旅行代金の高い時期にならないと旅行に行きづらいこと、趣味の多様化により旅行する時間が取りにくくなっていることなどが挙がった。

 加えて、「海外経験は国際的な人材育成に役立つ。就職活動にプラスに働くような社会的気運を高めていくべきでは」との意見や、「流行などを踏まえて、若者に旅行に行ってもらうための動機づけをするべき」との意見もあった。このほか、「子どものころに1度海外旅行をするとリピーターになる可能性が高い」といった指摘もあったという。旅行業界に対しては、「友達同士や親子で旅行をしたいという若者もいるが、そうした需要に応えられる受け皿があるのか」という意見があった。

 2回目は来年の1月に実施し、若者の海外旅行の振興策について、各委員がプレゼンテーションを実施する予定。3回目を2月から3月に開催した後、年度内に取りまとめをおこなう。来年度上旬に策定予定の「観光ビジョンの実現に向けたアクション・プログラム2018」に盛り込むことも検討する。このほか、オブザーバーとして参加している、日本旅行業協会(JATA)によるアウトバウンド促進協議会(JOTC)とも協力する考え。なお、JOTCは年内にも、若者の海外旅行促進に向けた部会を立ち上げる予定だ。

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