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元1種の旅人舎が破産、JATAが弁済の案内開始

  • 2017年8月2日

 東京の第3種旅行会社であった旅人舎が7月31日、東京地方裁判所で破産手続開始の決定を受けた。旅人舎は、もともとマップ・インターナショナルで取締役、同社から分社化したアクロス・トラベラーズ・ビューローで代表取締役を務めた濱谷雅之氏が2001年に設立した旅行会社。

 日本旅行業協会(JATA)では、7月31日には旅人舎からの通知を受けてウェブサイト上で弁済業務保証金制度の案内を開始。JATAによると、8月2日15時現在では消費者からの問い合わせもほとんどなく、発生したとしても弁済限度額の300万円の範囲内におさまる見込みという。

 旅人舎は当初第1種であったが、今年3月24日付でJATAを退会。これに対して、同じく濱谷氏が代表を務める第3種の「株式会社クオリアス」が同タイミングでJATAに入会した。

 現在の旅人舎ウェブサイトでは、このクオリアスが保持していた登録番号が旅人舎のものとして掲載されていることから、JATA加盟後に社名変更をおこなったものと見られる。今回の破産手続開始決定では、「株式会社旅人舎」と「株式会社旅人舎(旧商号株式会社クオリアス)」が破産者となっている。

 ちなみにクオリアスは、もともと旅人舎がマダガスカルやペルー、キューバなどの地域への個人旅行を専門に扱う事業として展開していたもので、独自ドメインのウェブサイトも構えているところ。同ウェブサイト上では現在、「急な社内事情により株式会社Go every/クオリアス事業部の現事務所(新宿本社)を閉鎖する運びとなりました。」「現在新事務所への移転作業を行っておりますので、すでにご予約をお預かりしているお客様へは(中略)各担当者よりご案内させていただきます」などとする案内文を掲示している(リンク)。

 このGo everyは16年12月16日設立の第1種旅行会社で、JATAにも旅人舎の退会とクオリアスの入会と同じタイミングで加入。上記「新宿本社」の住所は旅人舎と同一で、郵便受けも共有していた痕跡があり、さらに代表の藤井剛氏も旅人舎出身と見られ、事業譲渡などのやり取りがあったものと考えられるが、経緯などの詳細については8月2日17時現在、取材の手がかりが得られていない。

 なお、福岡には旅行業者代理業の旅人舎福岡が存在するが、同社によるともともとは06年に営業所としてスタートしたが約2年後に独立。当時は旅行業者代理業として旅人舎との関係もあったが、その後は地場の第2種旅行会社と契約しており、現在は社名に名残を留めるのみという。