中部、16年度は減収減益-17年度は増収増益へ、純利など過去最高

  • 2017年5月16日

 中部国際空港によると、2017年3月期(16年4月~17年3月)の連結業績で、売上高は前年比0.8%減の548億1500万円、営業利益は3.6%減の77億300万円、経常利益は5.6%減の64億6200万円、当期純利益は7.8%減の41億8500万円の減収減益となった。空港事業は順調に推移したが、中国人のいわゆる「爆買い」が沈静化したことなどによる商業事業の落ち込みが響いたという。売上高、経常利益、純利益は過去2番目を記録した。なお、営業費用は0.3%減の471億1000万円。

 売上高のうち、空港事業は2.9%増の270億2000万円と前年を上回った。中国東方航空(MU)が合肥経由の重慶線を開設し、ベトナム航空(VN)がホーチミン線を増便するなど航空ネットワークが拡大したことや、訪日外国人を中心とした旅客数の増加が要因。同社によると、スカイマーク(BC)が早朝に運航中の那覇線など、深夜早朝時間帯の路線による旅客需要の創出も一因という。

 航空旅客数は5.2%増の1096万人で、国際線は6.8%増の523万人、国内線は3.7%増の572万人。航空機発着回数は3.7%増の10万1000回で、国際線は4.5%増の3万9000回、国内線は3.2%増の6万1000回だった。

 一方、商業事業の売上高は、爆買いの沈静化で免税店売上が12億7000万円減少したことなどにより、4.9%減の252億7000万円と前年を下回った。このほか、交通アクセス施設事業は旅客数の増加などによる駐車場収入の増加などで、6.0%増の25億1000万円となった。

 18年3月期は、売上高は6.5%増の584億円、営業利益は6.4%増の82億円、経常利益は9.9%増の71億円、当期純利益は17.1%増の49億円を予想。営業利益以外は過去最高となる見通しだ。

 航空旅客数は9%増の1200万人を見込んでおり、このうち国際線旅客数は15%増の600万人、国内線旅客数は5%増の600万人とした。17年度中にはエア・カナダ(AC)がエア・カナダ・ルージュでバンクーバー線を11年ぶりに再開するほか、VNが10月末からホーチミン線をデイリー化。就航日は未定ながら、エアアジア・ジャパン(DJ)が新千歳、台湾(桃園)線を開設する見通しであることなどから増加する見込みという。