KNT-CT、現社長と次期社長が会見、改革は「新しい力」で

  • 2017年4月27日

(左から)戸川氏、丸山氏  KNT-CTホールディングス(KNT-CT)は4月27日、近畿日本ツーリスト(KNT)と近畿日本ツーリスト個人旅行(KNT個人)を分割し、個人旅行と団体旅行の両方を扱う「近畿日本ツーリスト首都圏」などの地域会社や、「近畿日本ツーリスト訪日旅行」などの専門会社を設立する事業構造改革と、6月20日付の社長人事を発表した(下記関連記事)。同日夕方には都内のホテルで記者会見を開催し、現社長の戸川和良氏と次期社長の丸山隆司氏の2氏が、今回の改革の背景や今後の事業展開などについて説明した。

 現社長の戸川氏は冒頭で、退任の理由について「4年半に渡り社長を務めてきたが、ステークホルダーの期待に応えられなかった」と説明。その上で「旅行会社、特にリアルエージェントを取り巻く状況が厳しいなかでの社長交代で申し訳ないが、構造改革は新しい力で進める方が良い」と語り、後任の丸山氏に期待を寄せた。2017年3月期(16年4月1日~17年3月31日)の同社の通期連結業績は、個人旅行事業の低迷などで最終赤字となる見込み。

戸川氏  戸川氏は丸山氏については「グループ会社で経験と実績を残された方。難しい時代の舵取りには最適」と紹介し、自身よりも年上であることについては「事業が順調なら若い人が代わればいいが、難しい時代なので経験値が重要」と語った。丸山氏は1948年生まれの68歳で、72年に当時の近畿日本鉄道(現近鉄グループホールディングス)に入社。同社では常務取締役としてレジャー事業本部長やホテル事業本部長などを務め、現在はKNT-CTの顧問に就任している。

 戸川氏はそのほか、4年半について「環境の変化が身に沁みた」ともコメント。「一昨年までは利益も上げて能天気でいられたが、昨年からはOTAの伸長やFIT化の進展によるスピードの変化を感じた」と振り返った。

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