トランプで日本人20万減か-ブランドUSA、17年はデジタル広告など

  • 2017年4月10日

早瀬氏 ブランドUSAはこのほど、第9回目となる「ステークホルダー・ミーティング」を開催した。ブランドUSAの活動内容を定期的に報告するもので、今回は2016年度の活動報告や米国大統領にドナルド・トランプ氏が就任したことによる観光への影響、17年度の活動方針などを発表した。

 ブランドUSA日本代表の早瀬陽一氏によると、ブランドUSAが依頼した調査会社の試算で「トランプ大統領」の影響として2018年までに全世界からの訪米者数が630万人減少する見込み。内訳としては、約260万人がメキシコ、約118万人がカナダで、以降は英国、中国と続き日本は国境を接しない国としては3番目に多い20万3000人となる予想だ。

 トランプ氏が大統領に就任する前に米国商務省が発表していた見通しでは、日本は16年が前年比1%減の372万人、17年が前年並みの372万人、18年は1%増の376万人となるはずだった。今回の影響予測について早瀬氏は、「1つだけが要因というわけではなく、色々な要素が重なりあっている」と語り、昨年11月頃から為替レートが円安傾向にあることも紹介。その上で、こうした要因が複合的に影響するとすれば「(20万人の減少は)つじつまの合った人数」との考えを示した。

 こうした中でブランドUSAは、メキシコやドイツなどでプロモーションの規模などについて見直しを実施。ただし、日本においてはこれまで通り展開していく予定で、具体的には3月に発表したデジタル広告キャンペーン「どこまで行けるだろう(See How Far You Can GO)」などを進めるという。

 同キャンペーンは日本を含む世界9ヶ国が対象で、直近ではブランドUSAの公式サイトを刷新したほか、一般消費者向けの広告キャンペーンを実施する。一般消費者向けには、4月から6月までGoogleでのバナー広告など、YouTubeでのオンラインビデオの公開などを展開する予定で、日本では特に「ローカル」をテーマに、米国の文化的な魅力を訴求していくという。

 また、日本市場におけるデジタル広告キャンペーン以外のプロモーションとしては、4月23日から30日まで旅行業界向けにコロラド州とユタ州を巡る研修旅行を実施。さらに、4月20日に広島、21日に福岡、5月25日に名古屋、26日に大阪で、旅行会社を対象としたVisit USAとの共同セミナーを開催するほか、7月にはブランドUSAとしては初となるセールスミッションを東京と大阪で実施する。

 さらに、米国のおすすめ観光スポットなどを集約したガイドブック「インスピレーションガイド」の17年度版を5月から配布するほか、IMAX映画の第2弾として「都会」をテーマにした映画を公開する予定。映画は18年2月に米国でプレミア上映をおこない、日本などでの公開スケジュールは後日発表する計画という。