リトアニア、16年は日本人2割増、3年目途に倍増めざす

  • 2017年1月29日

駐日大使のエギディユス・メイルーナス氏(左)と能登氏
 リトアニア政府観光局はこのほど、都内で旅行会社向けのセミナーを開催した。同局は昨年秋に、日本での業務をフォーサイト・マーケティングに委託したところで、今回が契約後の初めてのセミナーとなる。同社代表取締役で観光局の日本代表を務める能登重好氏は、2016年の日本人旅行者数の推計値が前年比2割増の約2万5000人となったことを説明するとともに、日本でのプロモーション強化により、今後は3年程度を目標に年間5万人をめざす考えを説明。本国における日本市場のプレゼンスを高める考えを示した。

チウジャス氏  この日は3名がプレゼンテーションを実施。来日した同国経済省投資輸出局観光政策課課長のレナルダス・チウジャス氏は、リトアニア観光のイメージブランド「Real is beautiful」について説明し、「一般的な旅行先のほとんどを訪れてしまった時、ユニークなものやまだ話題になっていないものを探している時、リトアニアを訪れてほしい」とアピールした。

杉原千畝について語るカイリス氏  首都のビリニュスに次ぐ第2の都市のカウナスから来日した副市長のシモナス・カイリス氏は、同市を「杉原千畝の町」として紹介。杉原千畝記念館など15のポイントを巡る「杉原千畝ルート」については、昨年秋に日本語によるマップを制作したことなどを伝えた。そのほか、同記念館を含むモダニズム建築などもカウナスの魅力としてアピールした。

 能登氏は「豊かな国 リトアニア」と題したプレゼンテーションを実施。今後は旧市街が世界遺産に登録されているビリニュスやカウナスに加えて、ドゥルスキニンカイのスパリゾートなどの魅力も訴求し、同社が同じく日本で観光局業務を務めるフィンランドと同様に、若い女性などの取り込みにも注力する考えを示した。

▽バルト3国をすべてフォーサイトが担当、プロモーションに幅
 能登氏は本誌の取材に対して、今年からエストニア政府観光局とも業務契約を締結し、日本におけるプロモーションを開始したことを明らかにした。同社はすでにラトビア政府観光局の日本代表も務めているため、バルト3国すべてを隣国のフィンランドとともに市場に提案することが可能になる。今後は、主流のバルト3国周遊ツアーに引き続き注力する一方で、個人旅行者をターゲットにモノデスティネーション化も視野に入れる。