マドリード、ショッピングを訴求、オンライン中心にプロモ

  • 2016年11月8日

アジア・マドリード事務所代表のペレス氏  スペインのマドリード州は、日本市場向けにショッピングツーリズムの訴求を強める。マドリード州政府、マドリード商工会議所、スペイン政府小売競争組織は2013年10月からプロモーション「マドリード7つ星の地・世界最高のショップ」を展開しているが、今年の10月にイベリア航空(IB)が成田/マドリード線に就航したことから、日本での取り組みを強化する方針だ。

 同州政府と商工会議所がこのほど都内で開催したセミナーでは、アジア・マドリード事務所代表のスサナ・フェルナンデス・ペレス氏が「マドリードは商業自由化政策を進めており、各店舗が自由に営業時間を決められるほか、免税制度も充実している」とアピール。加えて、マドリードには多様なショッピングルートやアウトレットがあり、購入品を日本へ配送するサービスも実施していることを紹介した。

 同プロモーションでは来年に向け、オンラインでは専用のウェブサイトで300を超えるプロモーション参加店舗を紹介。そのほか訪西者専用アプリ「マドリード・ショッピング・エクスペリエンス」のダウンロードを呼びかける。さらにショッピングルートとして「プレミアムルート」を指定して訴求するほか、約50店舗を紹介する日本語のブックレットも配布する。

 オフラインでは、空港や高速鉄道「AVE」のターミナルで告知を強化。雑誌などメディアとの協力を進めるほか、メディアや旅行会社を対象にしたファムツアーも企画する。さらに、来年の「ツーリズムEXOPジャパン」への出展も検討する考えを示した。

スペイン政府観光局日本局長のクララムント氏  このほか、セミナーではスペイン政府観光局日本局長のマジ・カステルトルツ・クララムント氏が日本市場の現状について説明。訪西日本人旅行者数は年々増加しており、15年は前年比28.6%増の60万1488人を記録し、マドリード州への旅行者数も82%増の14万9770人と好調に推移したという。クララムント氏は、今年の見込みについては明言は避けたものの、「今年も前年を上回るペースで増えている。IBの直行便開設でさらに増加が見込めるだろう」と期待を述べた。

 また、最近の動向としてFITの増加に言及。FITの伸び率が35%増の26万2421人となり、パッケージツアー利用者の伸び率の18.9%を大きく上回ったことから「この傾向は強まるのではないか」との見通しを示した。そのほか、MICEの開催地としてのスペインもアピールし、国際会議協会(ICCA)が集計した15年の国際会議開催件数で4位となったことも紹介した。