ピーチ、15年は3年連続増収増益、累損解消

  • 2016年6月14日

MM執行役員で財務・法務統括本部長の岡村淳也氏  ピーチ・アビエーション(MM)は6月14日、2016年3月期(15年4月1日~16年3月31日)の決算を発表した。営業収入は前年比29.1%増の479億3900万円、営業利益は115.7%増の61億8100万円、経常利益は198.2%増の47億5900万円、当期純利益は156.9%増の27億4400万円となり、3年連続で増収増益を達成した。原油の下落による燃油サーチャージ額の減少や、事業規模の拡大で機材の稼働率が上がりコストが減少したことなどから、各利益とも2.5倍以上の伸びを示した。営業利益率は12.9%だった。

 同日東京で開催した記者会見で、MM執行役員で財務・法務統括本部長の岡村淳也氏は、これまでの累積損失を計画通りに一掃したことを報告。「国内LCCとして、次のステージに(財務的に)自立して行くことができる」と喜びを示した。

 平均搭乗率は有償ベースで86.7%、有償旅客数は約455万人で、このうち約7割が訪日外国人。岡村氏は事業規模について、有効座席キロ(ASK)ベースで26%増となったことを語り、今期はさらなる拡大をめざし、ASKベースで2割から3割増をめざす目標を説明。「事業規模と連動し、利益や収入も2割から3割増やしたい」と語るとともに、17年夏ダイヤに控える仙台空港の拠点化を踏まえ、20年までには現在の事業規模の2倍をめざす考えを示した。

 今後は機材の効率的な運用を徹底し、さらなるコスト削減に務める。MMによれば、現在は1機材あたりの稼働時間は前年から1時間増の10時間弱。岡村氏は欧州のLCCであるライアンエアー(FR)の稼働時間が12時間程度であることから「FRのレベルまで(稼働時間を)上げていきたい。日中に国内線、深夜に国際線を運航し、引き続き効率を高めていく」と方針を語った。

 このほか、同氏は付帯サービスの販売状況についても言及。16年3月期は営業収益の18%を占める約84億円だったといい、「収入は14年度に比べ多少増加しており、増収に寄与したのでは」との見方を示した。今後は5年以内に20%から25%まで比率を高めていく考え。