JTB、15年度売上は過去最高、営利は45%増

  • 2016年5月29日

 ジェイティービー(JTB)グループの2016年3月期(15年4月1日~16年3月31日)の連結業績で、売上高(総額)は前年比1.5%増の1兆3437億1400万円となり、過去最高を記録した。営業利益は45.1%増の161億4700万円、経常利益は19.6%増の223億5300万円。当期純利益は、14年度がサンルートの売却益で増加した反動で、14.7%減の125億7900万円となった。営業利益率は0.9%だった。

 5月27日の決算発表会見で、JTB代表取締役社長の高橋広行氏(※高ははしご高)は、北陸新幹線の開業や、6年ぶりのシルバーウィーク、企業の好調な業績を受けたMICEの増加、訪日旅行の急増などが業績を押し上げたことを説明した。国内旅行では、エースJTBが堅調に推移したことで個人旅行で過去最高の取扱額を達成。地域活性化に取り組んできたDMC戦略なども成果が出てきており、こうした動きが国際情勢の不安などによる海外旅行の落ち込みを補ったという。

 旅行売上高のうち、海外旅行は9.0%減の4804億1400万円、国内旅行は5.0%増の6046億5100万円、訪日旅行や海外発海外などの国際旅行は24.2%増の1224億5000万円だった。商事や出版事業、地方創生事業などその他の事業は12.3%増の1361億9900万円。

 売上原価は、海外旅行は9.2%減の3770億1400万円、国内旅行は3.4%増の4759億8200万円、国際旅行は19.2%増の958億1000万円、その他の事業は17.5%増の1140億300万円。その他の事業を含めた合計は0.9%増の1兆628億900万円となった。

 その結果、売上総利益は海外旅行が8.4%減の1034億円、国内旅行が11.5%増の1286億6900万円、国際旅行が46.3%増の266億4000万円。その他の事業は8.6%減の221億9600万円で、合計は3.7%増の2809億500万円となった。販管費は2.0%増の2647億5800万円だった。

 JTBでは13年度から15年度の中期経営計画で、営業利益200億円の達成を目標に掲げていたところ。高橋氏は「15年は目標には及ばなかった」と振り返り、営業利益の増加のためには「大前提としての事業の拡大と、売上原価の低減・コストの抑制の両面で進んでいく必要がある」と語った。なお、同社では20年までの経営計画「2020年ビジョン」で、取扱額2兆円、営業利益400億円、営業利益率2%を目標に据えている。

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