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ベルギーテロ、旅行会社はツアー中止、全日空は運休-各社の対応

  • 2016年3月23日

 ベルギーのブリュッセル空港と地下鉄駅で3月22日に発生した複数の爆発を受けて、旅行会社や航空会社などはそれぞれ対応を開始した。旅行会社は直近のツアー催行を中止し、成田/ブリュッセル便を運航している全日空は3月中の運航便を全休する。そのほか政府も新たな情報の収集にあわせて、情報提供や通達の発出を実施。ベルギーや隣国のオランダでは観光シーズンが始まり、例年では夏の予約も動き出す時期を前にしたテロ事件に対する、各社の対応をまとめた。

 大手旅行会社については、ジェイティービー(JTB)は22日にブリュッセル滞在中またはブリュッセル入りするパッケージツアーはなく、23日と24日に出発してブリュッセル入りするツアーは催行を中止し、全額を返金する。両日であわせて約50名の参加者に影響が出たという。28日以降に出発するツアーについては、24日までに催行の可否を決定。今後については、情報収集の上で催行やキャンセル対応などについて決定する。

 近畿日本ツーリストおよび近畿日本ツーリスト個人旅行は、22日にブリュッセル滞在中またはブリュッセル入りするツアー参加者などがいなかったことを確認。ただし、数日以内にブリュッセル入りする予定の団体があるため、他都市への振り替えやツアーの切り上げなどを検討する。そのほかには3月中に催行を予定するツアーはなく、4月以降については現地の状況などを判断して催行やキャンセル対応などを検討する。23日夕方の時点で問い合わせやキャンセルは少ないという。

 クラブツーリズムは、22日には添乗員付きツアーの参加者10名がブリュッセルに滞在していたが、無事を確認。23日から31日までに出発するツアーについては、すでに中止を決定しており、旅行代金を返金する。なお、すでに欧州へ出発済みで、24日または25日に現地入りする予定だった約50名については、ルートの変更やツアーの切り上げなどを検討。4月以降のツアーの催行やキャンセル対応については、今後の状況を勘案しながら検討を進める。

 エイチ・アイ・エス(HIS)は、事件発生時にブリュッセルに滞在していたツアー参加者の安全を確認。23日発のツアーは不催行とし、24日以降のツアー催行については、空港の復旧状況などを確認した上で対応を検討するという。24日以降のキャンセル対応については、現時点では通常通りキャンセル料を収受する方針だが、状況の変化により臨機応変に対応する可能性が考えられるという。

 日本旅行については、22日にブリュッセルに滞在中または現地入りした旅行者はおらず、その後も3月中はブリュッセルへのツアーは予定していない。4月以降のツアーの催行については、キャンセル料の取り扱いなども含めて検討を進める。

 阪急交通社は22日にブリュッセルに滞在していた旅行者全員の無事を確認。すでに欧州入りし、終盤にベルギー入りする周遊ツアーについては予定通り催行しているという。23日と24日に日本から直接ベルギー入りするツアーについてはキャンセルし、旅行代金を全額返還。25日以降に出発するツアーについては今後の状況を見て検討し、現地の交通機関などが機能していない場合には解除権を与える見通し。キャンセルなどに関する問いあわせの電話は「それほど多くない」という。

 ジャルパックは、28日に出発するベルギーを含むツアーについては、現時点では通常どおり催行する予定。そのほか4月と5月には約30本のツアーを予定しているが、催行の可否については現地からの情報などを勘案しながら検討する。今回の事件の影響については「問い合わせは増えると思う。ある程度の影響は避けられない」との見方を示した。

 ANAセールスについては、3月にブリュッセルへ出発する旅行の取り止めを申し出た旅行者にはキャンセル料を課さない考えで、既に一部がキャンセルを申し出たという。4月以降の旅行のキャンセルについては通常通りの対応とする予定。なお、4月以降の出発分についてはすでに問い合わせが約20件あり、3分の1程度がキャンセルに。いずれもキャンセル料が発生する期間以前だったという。

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