クルーズオブザイヤー授賞式開催、新規顧客開拓の姿勢を評価

  • 2015年12月24日

 日本外航客船協会(JOPA)はこのほど、「クルーズ・オブ・ザ・イヤー2015」の授賞式を開催した。同事業は旅行会社のモチベーションの向上、一般消費者に対する良質のクルーズ商品やサービスの提供を目的として、JOPAが国土交通省、観光庁、日本旅行業協会(JATA)の後援により実施しているもの。今年は26点の応募作品から、グランプリ1点、優秀賞4点、特別賞3点を決定した。授賞式の冒頭で登壇したJOPA会長の小林求氏は、今年の応募作品について「いずれもオリジナリティに富んだ、企画や販売に対する熱意に溢れたものばかり」と評価した。

 また、クルーズ・オブ・ザ・イヤー2015選考委員会の委員長を務めた、大阪府立大学21世紀科学研究機構特認教授の池田良穂氏は「今年の応募商品は、いかにしてクルーズの新規需要を開拓するか努力していた点が共通していた」と振り返った。同氏によれば、今までのクルーズ商品はリピーター層向けが中心で、新規顧客については「1回乗ればリピーターになるが、その一歩を踏み出してもらうのが難しい」状況だったが、今年は各社とも積極的に新規顧客の取り込みを実施。例えばグランプリを受賞した商船三井客船の「にっぽん丸 飛んでクルーズ沖縄、九州、北海道」では、47都道府県からシニアに加えて、家族層など幅広い層が参加したという。

 グランプリを受賞した商船三井客船取締役の嶋田和芳氏は同商品について、「寄港地の方々に喜んでもらい、地域の発展に貢献できるもの」をめざしたと説明。さらに、全国各地から幅広い年齢層の参加を募り、短期間のフライ&クルーズ商品として継続して催行してきた旨を語り、「今後は色々な寄港地にチャレンジし、地元と一体で、お客様にクルーズを楽しんでもらうことを重視していく」と話した。

 なお、授賞式では第3代クルーズアンバサダー(クルーズ振興大使)としてオペラ歌手の幸田浩子さんを選出した。クルーズアンバサダーは、日本の客船ならではの「心に響くおもてなしとらくらく安心のクルーズ旅行」の魅力を、広く一般消費者に訴求するために設けたもので、第1代はバイオリニストの千住真理子さん、第2代は雅楽演奏家の東儀秀樹さんが務めている。

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