日本航空、2Qは各利益3割増-通期予想は上方修正

  • 2015年11月1日

JL代表取締役社長の植木義晴氏  日本航空(JL)の2016年3月期第2四半期累計期間(2015年4月1日~9月30日)の連結業績で、売上高は前年比0.6%増の6879億3200万円となり、各利益はいずれも3割増となった。燃油安による290億円の経費削減などで、営業費用が3.9%減の5679億円となったことなどが大きく影響した。営業利益は29.2%増の1199億8200万円、経常利益は33.7%増の1226億4000万円、四半期純利益は28.7%増の1033億9800万円だった。

 国際線の旅客収入は0.7%増の2356億6600万円で、有償旅客数は5.1%増の409万3290人。日本発の業務需要が堅調に推移するとともに、訪日需要を取り込んだことで旅客数を伸ばした。座席供給量を表す有効座席キロ(ASK)は関空/ソウル(金浦)線の運休などで1.0%増にとどまった一方、旅客輸送量を表す有償旅客キロ(RPK)は6.2%増となり、座席利用率は3.9ポイント増の79.7%となった。旅客単価は燃油サーチャージの減少などが影響し、4.1%減の5万7574円に。イールドは5.1%減の12.2円、ユニットレベニューは0.3%減の9.7円だった。

 同社代表取締役社長の植木義晴氏は10月30日に開催した決算発表会見で、訪日外国人旅行者の増加により、国際線の海外地区での発券分が38%から43%に増加したことを報告。特に香港を含む中国が50%強、台湾が64%、韓国が70%に達したという。外国人旅客数は中国や東南アジアなどが牽引して18%増に。中国経済の成長については減速も報じられているが「今のところ予約状況などに顕著な兆候はない」と説明し、今後の動きを注視していく考えを示した。

 国内線の旅客収入は3.5%増の2568億100円で、有償旅客数は0.8%増の1608万2955人。ASKは1.2%減となった一方、RPKは0.6%増となり、座席利用率は1.2ポイント増の66.8%増となった。単価は2.6%増の1万5967円に。イールドは2.9%増の21.0円、ユニットレベニューは4.7%増の14.1円となった。

3月に開通した北陸新幹線の影響を受けている羽田/小松線については、座席数を約30%減らしたものの「収入的には厳しい状況にある」と説明。ただし1日6便については維持し、石川県や福井県の協力の得てさまざまなキャンペーンをおこなって利用者の維持に努める考えを示した。

 ジャルパックの営業収益は0.2%減の910億円。海外旅行の取扱人数は円安による販売価格の上昇などにより11.5%減の約13万人となったが、国内旅行の取扱人数は、「JALダイナミックパッケージ」の好調により3.8%増の121万人となった。

 4月30日に発表した通期業績予想については、売上高1兆3280億円は1兆3470億円に、営業利益は1720億円を2040億円に、経常利益1690億円は2020億円に、四半期純利益1440億円は1720億円に、それぞれ上方修正する。上期の実績や訪日外国人旅行者の急増などを勘案した。