ニュージーランド航空、日本は2ケタ成長-南米需要の取込も

  • 2015年11月1日

イベントでは、客室乗務員の歴代の制服ファッションショーをおこなった ニュージーランド航空(NZ)は10月28日、都内で創立75周年と日本就航35周年を祝うイベントを開催した。同社日本・韓国地区支社長のスコット・カー氏は業界誌などの取材に応え、2014年10月から15年9月の1年間で日本人旅客数が前年比13%増と2ケタ増になった旨を話し「日本はとても成長している市場」と好調さをアピールした。

NZ日本・韓国地区支社長のスコット・カー氏 NZでは19年度(18年7月~19年6月)までに日本市場の便数や旅客数、売上高などの規模を14年度の2倍にする「ダブルジャパン戦略」に取り組んでいる。カー氏は「15年度の達成率は29%。16年度は45%以上の達成率となる見込み」とし、計画が順調に進んでいる旨を説明した。

 今後はアクティブシニア、学生、FITをターゲットにプロモーションを展開し、さらなる成長をめざす。アクテイブシニア層については「冒険心のある旅が好きな人々」(カー氏)をターゲットに設定。学生層については修学旅行や留学などを、FIT層については、25歳から40歳までの人々を想定しているという。

NZは1940年に設立。80年8月1日から日本に就航しており、当時はオークランドからフィジーのナンディを経由して成田に向かった また、カー氏は今年の12月1日にオークランド/ブエノスアイレス線に週3便で就航することを契機に、南米への需要を取り込みたい考えを語った。現在、ニュージーランド経由で他国を訪問する日本人旅客は数%程度と少なく、行き先は南太平洋諸島が中心だ。今後はブエノスアイレス行きの割引運賃を設定するなどプロモーションを展開し、需要の取り込みをはかる。特に、4月から10月までのショルダーシーズンの販売促進に有効活用したい考えだ。

会場には各時代の機材のモデルプレーンが展示された さらに、カー氏は今後の路線展開についても言及。「需要が高い東京エリアからの送客を増やしたい」と語った。同社では16年3月26日まで、通常は1日1便で運航している東京/オークランド線を週10便に増便。5月7日までは週9便で運航する計画を発表している。カー氏は「機材を大型化し座席数を増やすのではなく、便数を増やすことで利用者の利便性を高めたい」とし、需要動向を見ながら「最終的には通年で1日2便を運航したい」と意欲を示した。羽田への就航の可能性については「昼間時間帯の就航が可能になれば検討する」とコメントするにとどめた。