エクスペディア、日本に顧客プログラム、アジア初-付加価値に焦点

  • 2015年6月2日

エクスベアとエクスペディアジャパンマーケティングディレクターの木村奈津子氏  エクスペディア・ジャパンは6月2日、日本にロイヤルティプログラム「Expedia+(エクスペディア プラス)」を導入すると発表した。エクスペディアが米国、カナダ、メキシコ、オーストラリア、ニュージーランド、オランダの6ヶ国で既に提供しているもので、今回アジアで初めて日本でサービスを開始する。

 同日開催した会見で登壇したエクスペディアジャパンマーケティングディレクターの木村奈津子氏によると、2015年時点のリピーター数は全体の36%。同氏は日本人は旅好きで旅行経験が豊富な層が多く、価格やコストパフォーマンスに加え「いかに上質な体験ができるか」を重視するとし、「最低価格保証でコストパフォーマンスを抑えた上で、+αのサービスを提供していかなければ、今後の成長はない」と説明。Expedia+により、新規顧客に加え、リピート率の高い優良顧客の取り込みをはかる考えを示した。同プログラムでは「ポイント合戦ではなく、いかに価格+αの付加価値を提供できるか」に注力していく考えだ。

 Expedia+はステータスプログラムとポイントプログラムの2種類で構成。ステータスプログラムは、年間の宿泊数、利用金額ごとに+ブルー、+シルバー、+ゴールドの3つのステータスを設定した。登録時点では+ブルーだが、7泊または60万円の利用で+シルバーに、+ブルーから数えて15泊または120万円の利用で+ゴールドにアップグレードする。自分のアカウントを利用すれば、友人や家族の旅行でも対象となる。

 また、同プログラムではExpedia+会員に特典を提供する「+VIP Acess 提携ホテル」を設定。全ステータスでポイント換算率を2倍にするほか、ボーナスポイントの付加や、無料のシャンパンボトルやスパ、ウェルカムフルーツなどVIP特別サービスを提供する。+ゴールドではホテルの客室アップグレードも可能だ。

木村氏  +VIP Acess提携ホテルは帝国ホテルやホテルオークラ東京など日本国内のホテル7軒、海外のホテル約1500軒が対象。木村氏は+VIP Acess提携ホテルについて、検索時は専用のマークが表示されるためコンバージョンが増え、予約販売数が増加するというメリットを強調。提携ホテルへの参入を引き続き呼びかけることで、年内には約1900軒に増やしたい考えだ。

 このほか、ステータスプログラムでは会員限定のプロモーション料金の提供やカスタマーサービスの優先利用、ハワイなどのホテルにある専用コンシェルジュデスクでの割引などを用意した。

 一方、ポイントプログラムでは、エクスペディアのウェブサイトやアプリなどから旅行を予約すると、次の旅行で利用できるポイントを付与する。ホテルと、ホテルと航空券を組み合わせた「ツアー」は75円で1ポイント、航空券は750円で1ポイント貯めることができ、3500ポイントを2900円引きのクーポンに交換可能だ。ポイントの実質還元率は、+ブルーが約1.1%、+シルバーが約1.2%、+ゴールドが約1.4%とした。ポイントとステータスプログラムの原資はエクスペディアが負担する。

 なお、エクスペディアジャパンでは、サービスの提供開始を記念しキャンペーンを実施。メール会員限定で、2014年か2015年に条件を満たせば、登録時から上級会員となる。また、12月31日までのアプリでの航空券&ホテルの予約でポイントを3倍付与するほか、6月18日から9月5日まで、抽選でポイントを付与するキャンペーンもおこなう。

 Expedia+は今後、6月中に香港、シンガポールで展開予定。2015年中にエクスペディアが展開する31ヶ国のうち28ヶ国で開始する予定だ。

訂正案内(6月3日 17時50分 編集部)
※エクスペディアジャパン側の修正により訂正
7パラグラフ 第2文
誤:・・・3500ポイントを2500円引きのクーポンに交換可能だ。

正:・・・3500ポイントを2900円引きのクーポンに交換可能だ。