カナダ、オンラインビザを義務付け、日本も対象-来年3月から

  • 2015年5月27日

(左から)市民権・移民大臣のクリス・アレクサンダー氏、CTCのCEOであるデービッド・ゴールドスティーン氏、中小企業・観光担当大臣のマクシム・ベルニエ氏  カナダ政府は、カナダに入国する外国人旅行者に対してオンラインビザETA(Electric Travel Authorization)の取得を義務付ける。5月25日からナイアガラフォールズで開幕したランデブーカナダ2015で、市民権・移民大臣のクリス・アレクサンダー氏が明らかにした。日本を含むアメリカ以外のすべての国が対象となり、今年8月から申し込みを開始。2016年3月15日から施行する。取得代は7カナダドルで、有効期間は5年間。期間中は何度でも入国が可能となる。

 アレクサンダー氏はシステムの導入について、「最近の国際情勢を見て決めた」と説明。また、最近ではビザ取得の必要な新興国からの旅行者が急増しており、1回の取得で何度も入国できることから「そうした国からの旅行者にとっては、有効な手段になるだろう」と話し、インバウンド市場拡大にもつながるとの見解も示した。

 カナダ観光局(CTC)日本地区代表のモリーン・ライリー氏は、この件について、競合デスティネーションとなるアメリカやオーストラリアのESTAと比べると取得代が安く、有効期間も長いことから「日本市場にとってはあまりいいニュースではないが、それほどネガティブなことでもない。入国審査がスムーズになるなどメリットもある」との見方を示した。

 現在のところ、徴収された代金の活用方法については未定。また、個人による申し込み以外に、旅行会社による申し込みが可能か否かについては決まっていない。CTC日本オフィスでは6月中旬に旅行会社に向けて詳細をリリースする予定だ。

 このほか、中小企業・観光担当大臣のマクシム・ベルニエ氏は、英語による観光局名の「Canadian Tourism Commission」の代わりに、新しいマーケティングネームとして「Destination Canada」を使うことを発表。ベルニエ氏は「国際市場の競争が激化しているなか、観光デスティネーションとしてのカナダをより強調していく」とその背景を説明した。しかし、日本では従来通りカナダ観光局の名称で活動を継続していき、Destination Canadaはコーポレート・アイデンティティとして利用していく。

 今回で39回目を迎えたランデブーカナダには、世界から400名強、このうち日本から38名のバイヤーが参加し、過去2番目の規模となった。なお、40回目を迎える来年はモントリオールで開催される。