アリタリア、長距離路線を増強、アジア強化-アブダビ経由活用も

  • 2015年5月13日

(右から)AZ営業本部副社長インターナショナル・セールスのベルトランド・ヴィスコンティ氏、CEOのシルバーノ・カッサーノ氏、アジア地区統括副社長のジャンルカ・テスタ氏  アリタリア-イタリア航空(AZ)は、長距離路線を強化する方針だ。今年1月に同社CEOに着任したシルバーノ・カッサーノ氏がこのほど来日し、本誌のインタビューに応え「長距離路線に対してAZは大きく成長していくべきと考えている」と語り、日本、中国、韓国といったアジアや南北アメリカ、アブダビ経由のインド、オーストラリアなどを強化していきたいとした。

CEOのシルバーノ・カッサーノ氏  AZは2014年8月8日、経営再建のためエティハド航空(EY)から出資を受けており、株式の49%をEYが取得。パートナーシップを強化しているところだ。EYとのコードシェアでは、アブダビ経由のアジアへの需要の取り込みをはかる。カッサーノ氏は「EYはAZが今後会社として発展していく上で非常に重要なパートナー」と強調。「EYとの業務提携により、ハブ空港としてアブダビを使用できる」とメリットを語った。

営業本部副社長インターナショナル・セールスのベルトランド・ヴィスコンティ氏  AZ営業本部副社長インターナショナル・セールスのベルトランド・ヴィスコンティ氏は、イタリア/アジア間の直行便はまだ数が少ないと説明。EYとコードシェアを実施した例としてローマ/アブダビ/バンコク線をあげ「乗客により多くのチャンス、選択肢が提供できるようになった」と語った。

 今後はアブダビ/イタリア間の路線強化もはかる。現在ローマ、ヴェネツィア、ミラノ/アブダビ線を運航中。「将来的にはボローニャなどからも飛ばしたい。イタリアの多くの都市からアブダビ経由でアジアにアクセスしていきたい」考えだ。

 また、アジアへの直行便についても増やしていく。AZとEYはミラノ万博公認航空会社だが、AZでは万博需要を見込み、5月から上海/ミラノ線を週3便で運航。また、北京/ローマ線も今年中に運航する計画だ。6月4日からは仁川/ローマ線に20年ぶりに就航する予定で、週3便の運航を予定している。

 また、日本路線については3月で関空/ローマ線を運休し、成田/ローマ線、ミラノ線をそれぞれ1日1便で運航している。AZによると、日本線については90%がレジャー需要。15年は日本/イタリア間を26万人が旅行する見込みで、8割以上が日本人だという。このため、同社では日本人向けのプロダクトやサービスの強化をはかる。機内には必ず2名の日本語話者が乗務。7月1日からは日本語の機内誌も導入する予定だ。

 なお、AZでは中国と日本向けにミラノ万博期間中、運転手付きのリムジンサービスも実施。ビジネスクラスで成田または上海からの直行便でミラノを訪問する乗客について、空港から60キロメートル以内の目的地へリムジンで送迎する。さらに、ビジネスクラスの搭乗券を万博内のアリタリア・エティハドパビリオンで提示すると、2階のVIPラウンジが利用できる。