チュニジア襲撃事件、2社のツアー参加者被害に-観光庁が通達発出

  • 2015年3月19日(木)

 観光庁によると、現地時間3月18日にチュニジアの首都チュニスで発生した武装集団による観光客襲撃事件(関連記事)について、旅行会社2社が募集型企画旅行を催行していたことがわかった。襲撃事件では日本人観光客3名が死亡、3名が負傷。全員が旅行会社が主催する募集型企画旅行の参加者だった。

 被害者は地中海クルーズ中の「MSCスプレンディダ」に乗船するツアーに参加しており、ツアーを実施した旅行会社はクルーズプラネットとベストワンドットコムの2社。クルーズはバルセロナからマルセイユ、ジェノバ、チビタベッキア、パレルモ、チュニジアのラグレットをめぐり、バルセロナに戻るもので、クルーズプラネットはバルセロナ乗船で3月12日から21日までの、ベストワンドットコムはジェノバ乗船で3月14日から23日までのツアーを企画していた。MSCクルーズによると、当該船には乗客3714名が乗船。乗客にバルドー博物館を訪問するオプショナルツアーを提供しており、美術館訪問中に、乗客が他のクルーズ会社の乗客とともにテロ襲撃に遭遇したという。

 観光庁長官の久保成人氏は3月19日の専門誌会見で「旅行会社に事実関係の一層の確認と、ご家族、ご遺族、負傷者への対応を全力を挙げておこなって欲しいとお願いしている」と説明した。同氏によると、クルーズプラネットは参加者91名のうち1名が死亡、1名が負傷。ベストワンドットコムは参加者21名のうち2名が死亡、2名が負傷した。死亡、負傷者以外の全員の安否は確認できているという。なお、個人や現地在住の日本人の参加者など、他の日本人参加者については現時点では把握しておらず、引き続き事実関係の把握に努めていくとした。

 観光庁では3月19日夕方ごろ、日本旅行業協会(JATA)、全国旅行業協会(ANTA)、2協会の加盟社以外の旅行会社などに「海外旅行における安全確保の徹底について」と題した通達を発出。今までも通達などで周知してきたが、今回の事件を踏まえ、「外務省が発出している最新の渡航情報(危険情報)を把握するとともに、当該情報を旅行者に適時適切に提供し、安全確保に万全を期すよう」呼びかけた。また、不測の事態に備えた危機管理や連絡体制の整備について周知徹底を求めている。

 また、外務省でも3月19日付で、襲撃事件の発生に伴う注意喚起を発出。さらに、同日夕方、チュニス県チュニス市の渡航情報を「渡航の是非を検討してください」に引き上げるとともに「同市への不要不急の渡航は控えてください」と呼びかけた。その他地域については現状のままとした。

 外務省の渡航情報については、先日退避勧告が発出されているニジェールについて、旅行会社が募集型企画旅行を実施したケースがあった。これに対し、久保氏は「当たり前のことだが、旅行会社は参加者、消費者の生命、安全を常に意識する必要がある」と強調。退避勧告が出ている国・地域については「危険地域でのツアー実施は自粛すべきものと考える」ことから、募集型企画旅行を実施しないよう働きかけるとともに、当該商品を発見した場合は中止を求めていきたいとした。

 ただし、チュニスについては事件発生時点では「十分注意してください」だった。これに対し、久保氏は「旅行会社として、旅行者の安全安心の確保のため、今後どうすればいのか早急に考えなければならない」と指摘。「『十分注意』でも新しい情報が加わっていく。スポット情報をよく把握してほしい」と呼びかけた。

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