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ハワイアン航空、日本市場や旅行会社の重要性強調、コナ線は様子見

  • 2014年11月6日

HA上席副社長のテオ・パナジオトゥリアス氏 ハワイアン航空(HA)は11月6日、創業85周年を記念して都内で記者説明会を開催し、今年7月にグローバルセールス・アライアンス部門上席副社長に就任したテオ・パナジオトゥリアス氏が、今後の日本市場における事業戦略などについて説明した。同氏は日本市場について「非常に重要なマーケット」と繰り返し強調するとともに、日本市場における旅行会社の役割を評価し、今後も協働を続けていく考えを示した。

 パナジオトゥリアス氏は過去4年間で進めてきた国際線ネットワーク拡大において、羽田、関空、新千歳、仙台に新たに就航するなど、日本路線が重要な位置を占めた旨を説明。また、2011年の東日本大震災の発生時にも、日本路線については欠航便を出さなかったことなどについても述べた上で、「日本市場の将来は有望。HAは長期的にコミットしている」と明言した。

 近年の市場の変化については、インターネットの影響により旅行会社の役割は変わりつつあるとし、「利用者に対しては直販やOTA経由なども含めて、多くの選択肢を提供することが重要」との見解を提示。しかし一方では、「日本人旅行者が希望する、付加価値のあるサービスを提供できる」日本の旅行会社の役割は今後も重要と力説し、日本の旅行会社とは「今後も重要なパートナーとして、強力な関係を続いていく」と語った。

HA日本支社長の宍戸隆哉氏 日本市場の現況について報告したHA日本支社長の宍戸隆哉氏は、依然として日本人のハワイ旅行ではパッケージ商品の利用者が非常に多いことや、顕著なリピーター化が進んでいることを紹介。「リピーター向けのさらなるバリューを、旅行会社と一緒に考えていきたい」と意欲を示すとともに、今年8月から導入した新たなプレミアムエコノミークラス「エクストラ・コンフォート・シート」をパッケージ商品に組み込むなど、新たなサービスや選択肢を提供したい考えを示した。

 今後の新たな日本路線展開については、パナジオトゥリアス氏が「どのような形であれ、強化は間違いない」と明言。HAは今年の6月に福岡/ホノルル線を運休したが、一方で羽田/ホノルル線についてはロードファクターなどの開示は控えたものの、「とても好調」であることを報告。「現時点で発表できる就航計画はないが、常に消費者のニーズに対して先手は打ちたい」と意欲的に語った。

 アメリカン航空(AA)の昨年の羽田/ニューヨーク線運休に合わせて申請していたコナ線については、結果的には実現はしなかったものの、日本/コナ間については引き続き「大変興味がある」とコメント。リピーターに対して、ホノルル以外のデスティネーションを積極的に提供していく必要性を示した。ただし、就航については「長期的に捉えている」とし、「市場は刻々と変わるので、チャンスが巡ってきたら実現の可能性を評価したい」と述べるにとどめた。

 また、このほど米国運輸省(DOT)に対して要請した、デルタ航空(DL)が所有する羽田発着枠1路線の没収・再分配に関しても、HAが獲得した場合の就航先についてはコナ線とは限定せず「未定」と説明。決定はあくまでも「スロットを獲得してからの話」とした。