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マレーシア航空機、ウクライナ東部で墜落-各社航路変更も

  • 2014年7月18日

 マレーシア航空(MH)のアムステルダム発クアラルンプール行きMH17便が日本時間の7月17日23時15分頃、ウクライナ上空1万メートルで交信を断ち、同国東部に墜落した。MHの発表によれば旅客は293名、乗員は15名で、生存は絶望的と見られる。ウクライナ政府は親ロシア派武装勢力が撃墜したとの見方を示しているが、一方で親ロシア派武装勢力はウクライナ軍によるものとの見方を示していると報じられている。

 同便の使用機材はボーイングB777-200型機で、アムステルダムを現地時間17日12時15分に出発。クアラルンプールには現地時間18日6時10分に到着する予定だった。MHでは、同便の航路は国際民間航空機関(ICAO)によって安全宣言がなされており、国際航空運送協会(IATA)も通過した空域については制限の対象とはしていなかったと説明。同機からの救難信号なども受信していなかったと伝えた。

 MHは今回の事故後、当面は全てのヨーロッパ便の航路を変更するとしている。また、対策チームをアムステルダムに派遣するとともに、各方面と連携して情報の収集および発信に務めるとしており、新着情報はツイッターなどで随時発信する予定。MHが所属するワンワールドも、MHの要請に全面的に応じる考えを表明している。

 事故後、各社および各団体は犠牲者への哀悼の意を示すとともに、今後の対応を発表。日本航空(JL)と全日空(NH)は、それぞれヨーロッパ便についてはウクライナ上空を通過する便はないため、通常どおりの運航を続けるとした。米国連邦航空局(FAA)は、全ての米系航空会社が自発的に、ロシア/ウクライナ国境付近を航行しないことで合意したと発表した。

 欧州航空航法安全機構(ユーロコントロール)の説明によれば、MH17便の航路については一定のフライトレベルまではウクライナ当局が閉鎖していたが、同機が交信を経ったレベル330(約1万メートル)については開放されていたという。ユーロコントロールでは当面の間、同航路の使用を認めない考えを示した。

 MHが発表した18日18時における旅客の国籍別人数は下記の通り。41名の国籍は未特定としている。外務省は在オランダ大使館を通じて邦人の安否確認をおこなうとともに、在ウクライナ大使館を通じて同国政府に情報提供を求めているところとした。

 

▽MH17便、乗客・乗員内訳
オランダ/154名
マレーシア/43名(乗員15人を含む)
オーストラリア/27名
インドネシア/12名
イギリス/9名
ドイツ/4名
ベルギー/4名
フィリピン/3名
カナダ/1名
不明/41名