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愛媛県の「嵯峨野」破産開始決定、レストランや温泉施設を経営

  • 2014年6月29日

 東京商工リサーチ(TSR)によると、レストランや温泉施設を経営する愛媛県大洲市の「嵯峨野」は6月6日、松山地裁大洲支部から破産開始決定を受けた。破産管財人は宇都宮法律事務所の河野康之弁護士で、負債総額は約12億3000万円。

 嵯峨野は1978年2月にレストラン「嵯峨野」を開業。以後、1983年に松山市にレストラン、1992年に八幡市に神戸牛と割烹料理のレストラン「嵯峨野」、1995年に大洲市で温泉施設「ゆう湯さがの」、2002年に広島県海田町で温泉施設「さがの海田」を開設。ピーク時の2003年9月期には売上高約7億円を計上した。

 しかし、その後同業者との競争などで減収傾向となり、2007年9月期の売上高は約6億3200万円にとどまった。また、設備投資資金として調達した借入金の金利負担から収益が悪化したほか、2008年9月には「ゆう湯さがの」を閉鎖し売上高は約5億4600万円に減少。約1億4600万円の赤字を計上し債務超過となった。

 この間、レストランの閉鎖などで立て直しをはかったが、個人消費の冷え込みや施設老朽化などから減収傾向に歯止めがかからず、2012年9月期の売上高は約3億1000万円と5年連続の赤字を計上。以降、残っていた全施設を閉鎖し事業を停止し、今回の破産開始決定を受けることとなった。