JTB社長交代、西日本の高橋広行氏が内定、交流文化事業を完成へ

  • 2014年4月25日

JTB代表取締役社長に内定した高橋広行氏 ジェイティービー(JTB)は4月25日に開催した取締役会で、現常務取締役兼執行役員の高橋広行氏が代表取締役社長に就任する人事を内定した。2008年6月から3期6年を務めた現任の田川博己氏は代表取締役会長に、現代表取締役会長の佐々木隆氏は相談役に就任する。6月30日に開催予定の定時株主総会と取締役会で正式に決定する予定。

 高橋氏は徳島県出身、1979年入社の57歳。田川氏は同日の記者会見で、任期中に「一番厳しかった」という震災発生時の2011年に高橋氏が旅行事業本部長を務め、「2011年の1年間、苦しかった中を乗り切って、その結果が2012年、2013年の成果に結びついている。すべての気心が知れている」ことが最大の理由と説明。

 また、高橋氏はこれまで地方支店、商品造成、営業本部、本社旅行事業本部長など「非常に幅広い経歴」を持っており、特に「JTBが今求めている、交流文化事業、DMCといった流れを十分に理解し、進められる」と判断したという。

 高橋氏も、自身の強みとして「営業部門と管理部門、現場と本社、地方と東京、幅広く経験を積んできたことが、私自身の財産であり持ち味」と言及。その上で、策定から関わってきたJTBグループの現経営計画“2020年ビジョン”を「トップマネジメントとして遂行し、完成させることが自らの役割であり責任」と強調した。

 2020年ビジョンは“アジア市場における圧倒的No.1ポジションを確立し、長期的・安定的な成長を可能とする基盤を完成させる”ことを基本戦略とし、取扱額2兆円、営業利益400億円を目標として掲げるもの。

 高橋氏は「基本的には佐々木会長、田川社長が定めた経営理念、グループビジョン、経営方針は踏襲」した上で、2020年にJTBが事業ドメインとする交流文化事業を完成させ、2020年ビジョンの実現をめざすと意欲を語った。

▽高橋広行氏略歴
1979年 4月/日本交通公社入社
2001年 2月/ジェイティービー西日本エース事業部長
2003年 2月/同高松支店長
2005年 6月/同広島支店長
2006年 4月/JTB中国四国取締役広島支店長
2007年 6月/同常務取締役広島支店長
2010年 4月/ジェイティービー執行役員旅行マーケティング戦略部長
2010年 6月/同取締役旅行マーケティング戦略部長、CS推進担当
2010年10月/同取締役旅行事業本部長、CS推進担当
2012年 4月/同取締役旅行事業統括、CS推進担当
2012年 6月/同取締役(兼執行役員)旅行事業統括、CS推進担当
2012年 6月/同常務取締役(兼執行役員)(現職)、JTB西日本代表取締役社長(現職)