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HIS、第1Qの営利は25.2%増-旅行事業は増収増益

  • 2014年3月9日
 エイチ・アイ・エス(HIS)の2014年10月期第1四半期(2013年11月1日~2014年1月31日)の連結業績で、売上高(※総額)は前年比12.9%増の1223億6300万円、営業利益は25.2%増の40億8700万円、経常利益は19.9%増の48億8900万円となった。純利益はハウステンボスの繰越欠損金の解消による税金費用の増加で、0.9%減の23億3100万円と減少した。

 旅行事業では、売上高は12.7%増の1081億5500万円、営業利益は0.4%増の21億3100万円とともに増加した。海外旅行事業では、自由旅行時の現地サポートとして「旅先コンシェルジュ」サービスを開始。学生の海外進出支援で旅行代金の支払いを先延ばしできる「出世払い」も導入した。

 また、人気施設の貸切鑑賞プランを組み込んだ商品や、羽田空港の発着枠増加に伴う新コースの造成、HISの海外駐在員が現地を訪れて企画した「産地直送商品」の販売を始めた。さらに年末年始はチャーター便の活用で需要の取り込みをはかった。滞在プランの内容を充実させた高付加価値商品の販売も奏功し、観光庁の主要旅行会社57社内の海外取扱額で確実にシェアを上げたという。

 販売チャネルでは、生産効率を重視した営業展開で、ショッピングセンターを中心に営業拠点を新設。繁忙期の需要に応じた期間出店も実施した。オンライン販売では「航空券+ホテル」サイトで、ホテルの部屋タイプごとの画像を表示し、外部サイトと連携したほか、海外ツアー予約時のアレンジ範囲の拡張、SNSを活用した情報発信などもおこなった。

 団体旅行では専用システムの運用を開始するなど営業体制を強化。大型団体旅行の受注も増加し好調だったという。法人旅行は取引先企業の出張需要の回復により堅調に推移した。

 このほか、国内旅行では商品ラインナップを拡充。訪日旅行では、訪日外国人用の「旅先コンシェルジュ」を東京に設置するなど受入体制をさらに強めた。

 海外では、東南アジアでの他店舗展開を引き続き促進。現地でのプロオーション活動を強め、認知向上をはかった。このほか、ヨハネスブルグやリマなど未進出国への展開も積極的におこなった。海外の営業拠点網は2014年1月時点で54ヶ国114都市、165拠点となり、各国の現地発を対象とした予約サイトも39ヶ国41サイトとなった。

 日本発をはじめ各国の旅行者の受入業務では、グアムで子供のオプショナルツアーやレストランが無料になる「わくわくKidsパスポート」を開始するなど現地サービスの向上に努めた。さらに、海外拠点のサービスや設備を他の旅行会社でも利用できるよう、BtoB事業を強化。順調に推移しているという。このほか、ロシア支店でウラジオストク/グアム間のチャーター便を販売し、グアム支店が受け入れを担当するなど海外拠点間の送受客にも力を入れた。

 また、VACATION事業では、引き続き大手ホテルチェーンとのシステム接続おこない、取扱軒数が拡大。日本国内宿泊予約サイト「スマ宿」との連携で、予約サイトの拡充をはかった。

 ハウステンボスを運営するテーマパーク事業では、売上高は26.5%増の6億4800万円、営業利益は67.2%増の23億200万円と好調だった。イベントでは「世界一周植物園」を新設したほか、初の場外展開イベント「大阪城3Dマッピングスーパーイルミネーション」を開催。入場者数は13.1%増の74万8000人で、このうち海外客数は74.4%増の4万6800人だった。

 運輸事業では、アジア・アトランティック・エアラインズ(HB/AAA)で8月に成田/バンコク線に就航。売上高は8億1400万円、営業損益は前年の2億1700万円の赤字から2億5500万円の赤字となり、損失幅が拡大した。

 なお、ホテル事業は売上高が24.8%増の13億200万円、営業利益が6400万円の増収増益となった。