14年の出国者1780万人予想、JTB調査-国内、訪日もプラス

 ジェイティービー(JTB)が実施した2014年の旅行動向見通し調査で、海外旅行の人数は2013年比2.1%増の1780万人となる予想だ。2013年は1743万人に着地することを前提としたもの。LCCの就航、羽田空港の路線増などによる供給座席数の増加や景況感が追い風になるほか、近距離アジアでの対立が落ち着きつつあり、シニアを中心に底堅い需要が見込まれることなどもプラスに作用するとの分析だ。

 調査は、1泊以上の日本人の旅行と外国人の訪日旅行について各種の経済動向予測、旅行消費者購買行動調査、観光関連動向などから推計。2014年の環境としては、政府の経済政策により景況感が好転し、経済政策の効果が実感できる可能性があり、4月の消費増税の前には駆け込み需要、4月以降は一旦停滞するものの後半の巻き返しが期待できるという。

 為替は緩やかな円安基調が続くとの予測で、輸出関連企業の業績回復につながると指摘。増税や物価上昇に対する不安感はあるものの、東日本大震災後の「できる時にやりたいことを」という意識は継続し、節約と消費にメリハリを付ける消費者が多いとしている。

 また、連休の日並びは、ゴールデンウィークと正月を除くと、週末の3連休は7回となり、2013年比で1回減、2012年比で2回増に。ゴールデンウィークは4月30日から5月2日までの3日間が平日で、前半の3連休と後半の4連休に別れることから2013年と似た日並びとなる。8月の旧盆期間は8月13日が水曜日、15日が金曜日であることから、16日と17日の週末を活用して旅行する人が増える可能性があるという。

 海外旅行動向の見通しは、人数が2.1%増の1780万人であるのに対して消費額は4兆8700億円で5.2%増の予想。これは、欧州やハワイ、東南アジアなど中長距離の方面の人気が続き、単価が3.0%増の27万3600円となる見込みであるためだ。

 なお、海外旅行以外では、国内旅行は人数が0.2%増の2億9150万人、旅行消費額が5.3%増の10兆3900億円。国内と海外を合わせた旅行者1人あたりの平均旅行回数は0.02回増の2.44回とした。また、訪日旅行人数は13年が1032万人で1000万人を初めて突破し、2014年はさらに14.3%増の1180万人に増加すると予想している。