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ANAワンダーアース、ソニーと消費者イベント-対面販売を再検討

  • 2013年10月21日

(左から)ANAセールス取締役副社長で旅行商品事業本部長の中村晃氏、ソニーマーケティングコミュニケーション戦略部統括部長の高瀬竜一郎氏 ANAセールスはソニーマーケティングと共同で、銀座ソニービルでANAセールスの海外旅行商品「ANAワンダーアース」をアピールするイベントを開始した。ソニービルの1階エントランスホールに特設ブースを設置し、来場者にANAワンダーアースの魅力をソニーの4K液晶テレビ「ブラビア」で流す映像とともに紹介。商品を説明するスタッフや添乗員も常駐させる。

 ANAセールス取締役副社長で旅行商品事業本部長の中村晃氏は、業界誌の取材に対し、異業種とのコラボレーションは「新しい可能性への挑戦」と説明。ソニービルには1日1万人の来場者があるとし、特設ブースでANAワンダーアースをアピールすることで認知度向上をはかるとともに、「(お客様の)商品への具体的な反応をみつつ、発展形の商品企画をしていきたい」と意欲を示した。

 同社では2012年3月末、来場者数やコスト面の事情などから、汐留シティーセンターにあった旅行カウンターを廃止。しかし、「お客様と向きあうためのカウンターを持つべきでは」という考えから、強いブランド力と集客が可能なスペースを持つ他社と協力し、プロモーションをおこなうことを検討。ソニーマーケティングとイベントを開催するに至ったという。

 今回は期間限定で、旅行商品の販売をおこなわない「イベントスペース」ではあるが、中村氏は「ワンダーアースはお客様と対面し説明して売る商品。カウンターの必要性は感じており、(設置を)再検討している」と話した。ANAワンダーアースでは直販をメインに販売し、既存の商品は旅行会社経由で販売するなど、棲み分けをはかっていく。ただし、旅行会社から旅行者を紹介されるケースも視野に入れ、ANAセールスブランドの認知が高い、ANAマイレージクラブ会員やクレジットカード会員へのアプローチも続けていくとした。

 ANAワンダーアースは2013年4月から10月までに800名の予約があり、半年で13年度送客目標の1300人の半数以上を達成するなど好調に推移している。また、第4弾では国内旅行も設定したが、10名限定の抽選商品としたところ100名以上の申し込みがあったという。

 イベントは、ANAワンダーアースの主要顧客層であるシニア層がメインターゲット。ただし、中村氏は近年、仕事をしている女性同士の「ご褒美旅行」や、家族や母娘などで参加する場合もあるとしており、旅行の経験が多く、旅にこだわりをもった客層全般に情報を訴求していきたいとした。

 一方、ソニーマーケティングは旅行とカメラの親和性を打ち出し、シニア層に対し、カメラをアピールしたいねらい。両社は今回のキャンペーンを踏まえ、機会があれば今後も共同の取り組みをおこなっていく考えだ。

特設ブースでは、添乗員撮影の写真を紹介 イベントの開始期間は10月21日から11月3日まで。特設ブースではANAワンダーアースの添乗員がツアー中に撮影した写真や、世界遺産など旅行を想起させる映像、ツアーの情報などをブラビアで紹介するほか、パンフレットも用意した。ブースには添乗員や商品説明スタッフ2名が常駐し、来場者へANAワンダーアースの説明をおこなう予定だ。

 さらに、各回12名限定で、ANAワンダーアースのサービスやツアーの紹介と、ソニーの専門スタッフによる旅行写真撮影テクニックを案内するセミナーも実施。このほか、ソニーのデジタル一眼カメラ紹介コーナーに、全日空(NH)のボーイングB787型機のミニチュアなどのジオラマを設置。カメラを見学しにきた消費者へのアピールもねらう。