国交省、日系LCC2社に厳重注意、機体の一部点検漏れで

  • 2013年10月10日

ジェットスター・ジャパン 国土交通省航空局は10月9日、ジェットスター・ジャパン(GK)とエアアジア・ジャパン(JW)に対し、機体の定期的な検査の一部が未実施のまま長期間にわたって航空機を運用していたとし、厳重注意をおこなった。航空局では厳重注意文書を両社に渡すとともに、問題の発生原因と背景を調査し、必要な再発防止策を検討し、10月23日まで報告するよう求めた。

 同局によると、対空制改善通報(TCD)で求められている航空機の水平尾翼上部駆動装置の取り付け部分について、2社が整備現場に指示する際、適切に技術検討がなされなかったため必要となる目視点検の一部が実施されなかったことが判明したため厳重注意を実施。GKでは最大約8ヶ月間、JWでは最大約7ヶ月間おこなわれないまま運用されていたという。

エアアジア・ジャパン 問題は9月30日に判明しており、GKでは対象となる1号機から7号機で点検を実施して同日のうちに完了。10月1日に運航再開可能の許可を得た。1日に運航する68便のうち18便が運休し、約2470名に影響が出たという。一方、JWは検査対象は3機だが、うち1機はエアアジア側に返却済み。9月30日の運航終了後に航空局から指摘を受け、2機の点検を10月1日未明かけて実施し、初便の運航開始時間前に完了。このため、10月1日の便の遅延や欠航などの影響はなかったという。両社とも、今後の運行計画に影響はないとしている。

 なお、GKは2012年11月16日付けで、資格要件を満たしていない者を管理主任者としていたことや航空機部品の管理不適切などで厳重注意を受けており、航空局では今回の厳重注意文書で「これらの不適切事案については、いずれも航空局が改善を指導していたにもかかわらず、再発したものであること」であるため「全社一丸となって再発防止に取り組まれたい」としている。