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全日空、新LCC運航開始は年末めど-社名は8月中旬

  • 2013年7月30日

 全日空(NH)は、エアアジア・ジャパン(JW)の運航終了後に新たに開始する予定の新LCCについて、運航開始時期を2013年12月末ごろに設定した。NHとエアアジア(AK)は6月25日付で提携解消に合意。10月31日まではJWブランドで運航し、11月以降に新体制のLCCとして運営する方針を示していた。新しい会社名は8月中旬ごろ、詳細な運航計画などは9月下旬に発表する計画だ。

 約2ヶ月の空白があくことについてNH上席執行役員グループ経営戦略部長の清水信三氏は、「きちんと新たなブランドに生まれ変わって、再出発する。最初からそれなりの需要を取り込みたい」と説明。まずは「年末年始の(旅行手段の)選択肢として、新たなANAグループのLCCがあるということを周知したい」考えだ。ピーチ・アビエーション(MM)のブランドは活用せず、「全く新たなブランド、会社を立ち上げる」という。

 路線はNHとのコードシェアや接続はせず、成田と中部を拠点としてレジャー需要が中心の地点に就航。NHが羽田から国内外に路線を展開する中で、ビジネス需要も見込めるような路線は便数も多く、「限られた便数を成田から飛ばしても厳しい」(NHアジア戦略部主席部員の柴田紀之氏)と判断した。

 これに対して、レジャー路線であれば掘り起こしが可能との考えで、サービスだけでなくマーケティングや販売の面でも、日本市場でのノウハウを活用した「きめこまかい」対応をおこなっていく。まずは使用予定機材のエアバスA320-200型機で飛行可能な地点から就航することになる。ただし、将来的にはNHが就航していないリゾート地やハワイなども別の機材での就航を検討するという。A320-200型機は、当初2機体制で運航を始め、年度末には5機体制に拡充する。

 新会社の代表取締役社長には現エアドゥ(HD)営業本部長の石井知祥氏が就任する予定。石井氏は1974年4月にNHに入社した後、バンコク支店マネージャーや広島支店長、ワシントン支店長などを歴任し、2007年4月からNH営業推進本部副本部長兼米州室長兼ロサンゼルス支店長を務め、2010年7月にHD営業本部長に就任していた。

 なお、JWの2013年度第1四半期(2013年4月1日~6月30日)の実績は、国際線が旅客数3万9000人、利用率52.1%。国内線は旅客数が14万4000人、利用率が55.5%であった。