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夏海外旅行、9月が好調-ハワイやASEAN人気、「高遠長」傾向も

  • 2013年6月30日

 日本旅行業協会(JATA)はこのほど、大手旅行会社7社(※)の募集型企画旅行の申込み予約状況(人員ベース、6月上旬調べ)の調査と、JATA会員各社48社212名を対象にした夏休み旅行の人気方面アンケート調査を実施した。調査によると、海外旅行は7月から9月の予約状況で、7月は前年比11.0%減、8月は4.0%減にとどまったが、9月は連休が2回あることも奏功し5.9%増と好調だった。傾向としては、シニアを中心に方面を問わず、ビジネスクラスやプレミアムエコノミー利用などの旅行代金の高いツアーへの参加者が増えたほか、遠距離に長期間旅行する「高遠長」傾向が出ているという。

 方面別では、予約状況、人気方面調査ともにもっとも人気が高かったのはハワイ。予約状況では7月が3.9%増、8月が10.9%増、9月が28.3%増と3ヶ月とも前年を上回った。

 また、人気方面調査では2位にシンガポール、4位にタイ、8位にベトナム、10位にインドネシアと、上位10位内にASEAN諸国4ヶ国がランクインした。予約状況を見ると、アジア全体では7月が13.9%減、8月が4.1%減、9月が7.2%増という結果だったが、今年は日・ASEAN友好協力40周年であることや、需要が落ち込む韓国などの北東アジアからのシフトもあってか、ASEAN諸国に人気が集まる結果となった。例えばタイは7月が27.2%増、8月が38.9%増、9月が98.0%増となった。

 一方、JATAによるとアベノミクス効果からか、遠距離のデスティネーションへ長期間旅行する傾向も出てきている。ヨーロッパは、7月が16.3%増、8月が8.0%増、9月が13.5%増と好調に推移。人気方面調査で3位のイタリア、6位のフランスをはじめ、英国やドイツなど1ヶ国周遊ツアーがリピーターに人気となっているほか、定番の北欧やスイスも好調だ。

 アメリカは7月が8.2%増、8月が3.4%増、9月が4.7%増と増加。新規就航路線のサンノゼ、サンディエゴなどの西海岸やデンバーに人気が集まっているという。このほか、旅慣れた旅行者にはペルーやアルゼンチンなどの南米への旅行も増えているとした。

 なお、国内旅行は大手旅行会社6社(※)の予約状況ベースで7月が10.7%増、8月が10.5%増、9月が19.5%増と好調に推移。東京スカイツリーや歌舞伎座、浅草ハレテラス、東京駅舎などの新施設が開業している東京都内や、今年30周年を迎えた東京ディズニーリゾートの人気が高い。また、世界遺産に登録された富士山の登山ツアーや富士山周辺の山梨、伊豆箱根などの宿泊旅行が増加。遷宮の伊勢神宮や出雲大社、大河ドラマや朝の連続ドラマの影響で福島や三陸海岸も増加傾向にあるとした。


▽2013年夏休み海外旅行人気ランキング トップ10
1位 ハワイ
2位 シンガポール
3位 イタリア
4位 タイ
5位 グアム
6位 フランス
7位 台湾
8位 ベトナム
9位 アメリカ(本土)
10位 インドネシア

▽2013年夏休み国内旅行人気ランキング トップ5
1位 東京
2位 北海道
3位 沖縄
4位 中部
5位 山陰

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